Ubuntuチームは10月1日(英国夏時間)、Ubuntu Linuxの次期バージョン「Ubuntu 9.10(開発コード"Karmic Koala")」のベータ版を公開した。デスクトップ版では起動時の高速化が、サーバ版ではクラウド対応強化が、それぞれ図られている。また、派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Edubuntu、Ubuntu、Studio、Mythbuntuも同時にベータ版にアップグレードしている。

主な収録ソフトウェアのバージョンは以下の通り。

  • Linuxカーネル2.6.31-11.36
  • GCC 4.4.1
  • glibc 2.10
  • GNOME 2.28
  • KDE 4.3
  • Xfce 4.6.1
  • OpenOffice.org 3.1.1
  • X.Org server 1.6.3
  • Apache 2.2
  • PostgreSQL 8.4
  • PHP 5.2.10
  • LTSP 5.1
  • Python 2.6.2

デスクトップ版では、統合デスクトップ環境にGNOME 2.28を採用、デフォルトIMをPidginからEmpathyに置き換えた。また、ログインマネージャのgdm 2.28は、今回のβ版から完全に書き換えられている。また、Add/Removeに替わって登場したアプリケーション管理システム「Ubuntu Software Center」も本格的にテスト運用を開始、ユーザからのフィードバックを求めていく。最もユーザの関心が高いと思われる"起動の高速化"については、イベントベースのブートシステム「Upstart」が運用開始、こちらもフィードバックを広く募っているところだ。起動時の画面「Ubuntu Splash」にも変更が見られている。

サーバ版ではクラウドコンピューティング対応がより向上し、インストール時のEucalyptusコンフィギュレーションをサポート、UEC(Ubuntu Enterprise Cloud)の標準VMイメージが含まれるという。セキュリティ面ではAppArmorがデフォルト採用となっている。 またネットブック版(Ubuntu Netbook Remix)では、起動の高速化が図られたほか、ユーザインタフェースに改善が見られ、より早く簡単にインターネットにつなげるようになっている。

ISOイメージはUbuntuのサイトにある各ミラーサイトなどから入手することが可能。

ベータ版は今回のリリースのみで、今後は10月22日にリリース候補版(RC)が公開された後、10月29日にUbuntu 9.10が正式公開となる予定。