20日にOracleがSun Microsystemsを買収したと速報が入り、関係者を愕然させた。追って続報も発表され、次第に買収の内容が明るみになった。経営の視点からみた場合、この買収は妥当なものかもしれない。しかしOracleとSunは特にアプリケーションやミドルウェアで競合するプロダクトを抱えており、そうしたOSSプロダクトを採用している開発者にとっては大きな懸念材料が表れたことになる。

Sun買収の速報が流れてから開発者の反応は迅速だった。次にいくつか取り上げて紹介したい。

  • To be (free) or not to be (free) - MySQLのオリジナル開発者にしてファウンダーのひとりMichael Widenius氏のブログ。Sun買収に関する所感やMySQLの今後のとりうる可能性、SunがMySQLを買収したときには事はそれほどうまく運ばなかったことなどに触れるとともに、Oracleとともに働く準備があることなどを述べている
  • Oracle to Buy Sun: Will MySQL Ever Be The Same? - OStaticのSun買収に関する所感。MySQLはSunの下にいたときのように今後もフリーであり続けるかどうかはわからないことに言及している
  • Oracle's Effect on Java - Javalobby, Sun買収にともなうGlassfish、MySQL、Netbeans、OpenSolaris、JavaFXの話題や、SunのJVM開発チームとOracleの開発チームがどうなるかなどの考察
  • Oracle Buys Sun - Coverage from around the Web - TheServerSide.comに寄せられたコメントのまとめ記事
  • Oracle Buying Sun - TheServerSide.comにおけるコメント一覧
  • Sun and Oracle - The Aquariumにおけるニュース記事。Oracleのこれまでの買収の歴史からみればSunのOSSスタック(特にここではGlassFish)はFusionに取り込まれることになり、次はFusionから逃れるために.NETプロダクトを検討することになるかもしれないという内容がコメントに寄せられている
  • Oracle + Java = Harmony - Javalobby記事のひとつ。買収に関するSunプロダクトの展開などの所感がまとめられている

OracleにとってSunのH/W、Solaris、Javaは魅力的なものだ。これらプロダクトは今後も活用されることになるだろう。ただし、すでにOracleが保持しているポートフォリオとぶつかるものについてはあまり好ましい推測はでていないようだ。最初の反応も、買収そのものは遅かれ早かれ実施されるもので当然の結果ではないか、と見る向きが多い。それよりも自分が活用しているOSSプロダクトがOracleの下でどうなってしまうのかに高い関心があるようだ。

Oracleは以前、MySQLの買収に失敗しているが、MySQLを買収したSunごと買収することで、結局MySQLも手中に収めたことになる。OracleはいくつかのOSSプロダクトに対する重要なポジションを得たことになる。今度これらプロダクトがどういった扱いになっていくのか、目が離せない。

開発者の心配はSunの抱えるOSSプロダクトがどうなってしまうか、そして、Sunに所属するOSSの大物の処遇だ。彼らはいったいどうするのだろうか(左からOpenSolarisのIan Murdock、W3Cの大御所Tim Bray、そしてご存じ"Javaの父"James Gosling、いずれも2008年のJavaOneにて撮影)