地球生命の起源は宇宙!? NASA、隕石に含まれるアミノ酸の調査結果を発表

アミノ酸は、水素原子の位置を"親指"としてその分子構成を手のひらに見立てると、左型(L)と右型(D)に分類することができる。そして、人類をはじめとする地球上の生物を構成するタンパク質は、すべて左型アミノ酸からできている。アミノ酸を普通に合成すると、左型と右型がちょうど半分ずつの割合で生成されるにもかかわらず、だ。その理由はなぜなのか - この謎にまつわる興味深い研究結果が3月16日付けの『Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』に掲載された。

米航空宇宙局(NASA)に所属する宇宙生物学者のDaniel Glavin氏とJason Dworkin氏がPNASに投稿した論文によると、両氏が4年間にわたり南極大陸およびオーストラリアに落下した45億年以上前の6つの隕石を調査した結果、これらの隕石に含まれていたアミノ酸は圧倒的に左型が多いことがわかったという。6つのうちの1つ「マーチソン隕石」では、地球上にほとんど存在しないαアミノ酸「イソバリン」の左型と右型のインバランスが18%となっており、当初、50:50に近い割合を予想していた両氏は「この結果を最初は信じたくなかった」と驚きを告白している。

地球より古い年齢の隕石ですら、左型のアミノ酸を多く含むのはなぜなのか - Glavin氏は可能性のひとつとして、「隕石の母体となった小惑星に含まれる氷などの水分にアミノ酸が接触し、その作用によって左型アミノ酸が増殖した」という説を挙げている。また、隕石が偏光紫外線放射を受けたため、左型アミノ酸が多く残ったことも考えられるという。

地球上の生命は、宇宙から飛来した隕石に含まれるアミノ酸に由来するいう説は、多くの科学者によって唱えられているが、すべての生物が左型アミノ酸をベースにしていることを考えると、今回の調査結果はこの仮説の強力な後押しとなりそうだ。

アミノ酸のように、構成要素が同じでも鏡に映したような2つの立体構造を取り得る物質を鏡像体(光学異性体)という。同じアミノ酸でも右型と左型では性質が大きく変わり、右型アミノ酸は体に害をなすことも多い。なぜ生命は左型アミノ酸を選んだのか、その理由は宇宙にある…とするのがGlavin氏らの考え。今後のさらなる研究が期待される



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