インターネット広告にブランディング効果はあるのか――ビデオリサーチインタラクティブ(VRI)などネット関連業者5社が共同で「ネット広告バリューインデックス(NAVI) プロジェクト」を開始した。ネット広告の評価基準としてはクリック率(CTR)が定番となっているが、"視認効果"についても検証しようというもの。今後、参画ポータルサイトにおいて、ネット広告のさまざまな効果について調査を行ない、2009年秋頃に調査結果および新たな基準値を公表する。

VRIは、ポータル事業3社(NTTレゾナント、マイクロソフト、ヤフー)とともに、2007年3月~同12月にインターネット広告のブランディング効果に関する調査を実施。2008年4月に、"ネット広告におけるブランディング効果(広告露出自体による効果)の確認"、"Norm値(基準値)の作成による新たな効果測定が可能になる"などとする調査結果を公表している(関連記事)。同調査で公表されたNorm値は「インターネット広告出稿効果シミュレータ」で算出することが可能だ。

NAVIプロジェクトは、前述の調査を実施した4社にオールアバウトを加えた5社で発足。今後、All About /goo /MSN /Yahoo! JAPANにおいて、各サイトに掲載される広告を対象とした調査を開始。「広告注目率、クリエイティブに対する評価、広告接触によるブランディング効果等の事前予測や事後検証に活用できる基準値をアップデート」していくという。

NAVIプロジェクトを通じて策定したネット広告効果の基準値は、出稿前の効果予測や、複合的なメディアプランニングに必要なデータとして活用されることが期待される。社団法人日本アドバタイザーズ協会 小林昭専務理事は「昨今の経済環境の厳しい中で、広告主は常にも増して広告効果の最大化を目指して日々努力しており、このNAVIプロジェクトはそれらの努力を支えるものとして評価」するとのコメントを寄せている。調査結果と基準値は2009年秋頃に公表される予定だ。