「DIGITAL CONTENT EXPO 2008」エントランスでは、床に投影した地球の映像の上を歩くと水面のように揺れるインタラクティブなインスタレーションが来場者を迎えた

音楽・放送・映画・ゲーム・アニメ・CG・3Dといったデジタルコンテンツ産業に関連した展示会や、さまざまな関連イベントが一堂に集結した「DIGITAL CONTENT EXPO 2008(デジタル コンテンツ エキスポ 2008)」が10月23日から26日までの4日間にわたり、日本科学未来館ならびに東京国際交流館において開催された。主催は経済産業省と財団法人デジタルコンテンツ協会。

ASIAGRAPH2008 in Tokyo

アジア全域からCGクリエイターや研究者が集う国際的なCGイベント「ASIAGRAPH2008 in Tokyo」では、東京大学の河口研究室の『「異常なる四次元魚」の宇宙探査』、廣瀬研究室の『デジタルパブリックアート』といったデジタルアート作品や、国内をはじめアジア各国からすぐれたCGアート作品を一堂に集めた「ASEAN+3CGアートギャラリー」が展示された。

河口研究室の『「異常なる四次元魚」の宇宙探査』。Geomotion Bumpy Screenは背面に棒が埋められた装置が映像と連動してディスプレイの布にリアルな凹凸を生み出す仕組みになっている

テレビゲーム『RIDGE RACER』のキャラクターデザインなどでも知られる由水桂氏の『a girl in the summer』

CG黎明期から活躍している倉嶋正彦氏の『「起源」ー受ー心母ー胎』

Egoistic Beat -躍動する音と映像の宇宙-

東京国際交流館・国際交流会議場では、『Egoistic Beat -躍動する音と映像の宇宙-』と題した特別シンポジウムが開催された。東京大学大学院教授でアーティストの河口洋一郎氏をモデレータに、ミュージシャンの布袋寅泰氏、音楽プロデューサーで京都造形芸術大学副学長の秋元康氏の二人を迎え、10月18日の奈良・東大寺で行なわれた布袋氏と河口氏による音楽と映像のコラボレーション・ライブアクトの話題を中心に盛り上がった。このライブは、布袋氏の音楽に河口氏が制作したCG映像を東大寺前面に直接、投影するというもの。河口氏は「クリスタルの蝶に生命が宿ったようで、(ライブを観にきていた)コブクロの小渕くんも泣いていました」と語った。

奈良・東大寺に投影された河口氏のCG映像

ダンサーの動きと連動して映像が動くパフォーマンスも行なわれた

ConTEX(次世代コンテンツ技術展)2008

『ConTEX(次世代コンテンツ技術展)2008』では、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科稲見研究室の「光学迷彩」、メディアアーティストの八谷和彦氏が制作している"メーヴェ"「OpenSky M-02」といった"アニメの世界を現実にする科学技術"を紹介するテーマ展示などが行なわれた。また、国内外でデジタル3Dシアターを設置するシネマコンプレックスが増えるなど、俄に注目されてきている3D(立体視)コンテンツの技術を身近に体験できる『国際 3D Fair 2008』の展示も行なわれ、3Dコンテンツの上映も行なわれた。

人間型ロボットPromet(プロメテ)のHRP-2。デザインは『機動警察パトレイバー』などの出渕裕氏が担当。HRP-2は民謡を踊ったり、片足立ちが可能

慶應義塾大学大学院による光学迷彩のデモンストレーション。手前にあるプロジェクタから再帰性反射材で作られたコートに、背後にある映像を投影することで、透けたように見える仕組み

ほかにも、最新のデジタルアートの祭典『デジタルアートフェスティバル東京2008(DAF 東京2008)』など、さまざまなイベントが開催され、デジタル コンテンツ エキスポ 2008を大いに盛り上げた。