米Googleと露Rambler Mediaは10月23日(米国時間)、両社が7月に合意を発表したGoogleによるRamblerの広告サービス子会社の買収について、ロシアの司法当局に差し止め命令を受けたと発表した。買収差し止めの意図について現時点でははっきりとしない部分が多いが、検索広告市場でのGoogleの急成長を警戒しているものと考えられる。また今回の判定が、他国でのGoogleによる同様の買収案件の成否や、現在米司法省で審査が続いている米Yahoo!との提携の是非についても何らかの影響を与える可能性がある。

今回の差し止め判断は、Googleが7月18日(米国時間)にRambler傘下のZAO Begunを1億4,000万ドルで買収すると発表したことにさかのぼる。Ramblerはロシアをベースに同国最大規模のインターネットメディア事業を展開する企業であり、Begunは代表的なロシア語のコンテクスト広告サービスの1つ。GoogleはBegunの買収で検索広告事業の海外展開強化を狙っていた。Ramblerの23日付の発表によれば、ロシアの独占禁止法監督機関であるFAS(Federal Anti-Monopoly Service)がGoogleによるBegun株の100%保有を拒否したという。Ramblerは今後の進展があるまで、Begun株の50.1%をそのまま保有し続ける意向だという。

英Reutersの同日付けの報道によれば、FASはGoogleによるBegun買収を却下した理由として、市場での競争を阻害しないと判断するのに十分な情報をGoogleが提供していないことを挙げているという。FASは現在ロシア内でも最も権力のある機関の1つとして台頭してきており、その背後には同国首相のウラジミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の意向があるという。