Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)は29日、High-k/メタルゲートならびにゲート酸化膜としてSiONを選択可能な28nmプロセスをフルノード技術として提供することを計画していると発表した。初回の生産は2010年第1四半期を予定している。

同社によると、すでに複数のカスタマが同プロセスを採用した製品を開発するために、同社との協業を行っており、こうした協業により、カスタマの求めるスピード、消費電力およびコスト要件に併せた適切なトランジスタ材料を選択することが可能になるとしている。

低消費電力と高い性能を実現するSiONベースの「28LPT」プロセスは、同プロセスファミリの中で最も低消費電力を実現する技術で、同社の40nmプロセス技術「40LP」と比較し、2倍のゲート密度、最大50%のスピード向上、もしくは30~50%の消費電力削減をターゲットとして開発が進められている。

同社のSiONゲート技術は、ゲートキャパシタンスが低いため、High-k/メタルゲートに比べ動作時消費電力を抑制でき、その結果、低消費電力が要求されるアプリケーション向けに総合的な低消費電力、低コスト、低リスクのプロセスが提供できるとしている。

また、高性能を実現する「28HP」プロセスは、同社初のHigh-k/メタルゲート技術となり、従来プロセスである「40G」プロセスよ比較し、同等の消費電力で2倍のゲート密度、ならびに30%以上のスピード向上をターゲットとし、高性能が要求されるアプリケーションをサポートするとしている。こちらのプロセスは、28LPTに比べ、若干遅めの生産開始(2010年上期中)が予定されている。

なお、同社の28nmプロセス技術は、現在αアルファバージョンのデザインキットによりサポートされている。また、28nmプロセスによる同社の「CyberShuttle」試作サービスは、2008年末より開始予定としている。