Linux用ファイルシステム「ReiserFS」の開発で知られるプログラマーHans Reiser氏が、妻Ninaさんの殺害を認める供述を始めた。米国西海岸の主要日刊紙San Francisco Chronicleが7日、同紙およびWebサイト「SFGate」を通じて明らかにしたもの。

同紙の報道によれば、Hans Reiser氏はNinaさん殺害を認めるとともに、遺体を遺棄した場所の情報を捜査当局に明かすことに同意したという。氏は第1級殺人で有罪の評決を受けているが、証言と引き換えに刑期が15年程度の第2級殺人が適用される司法取引に応じた、としている。

Hans Reiser氏は、Linux向けに実装されたオープンソースのジャーナリングファイルシステム「ReiserFS」、および後継の「Reiser4」を開発したプログラマ。夫人のNinaさんとは別居状態にあったが、2006年9月を最後に行方不明となり、氏に対する疑惑が浮上。2006年10月にNinaさん殺害容疑で逮捕され、2008年4月に第1級殺人で有罪の評決を陪審員から受けていた。カリフォルニア州刑法では、第1級殺人で有罪を認定された場合死刑または終身刑、もしくは25年から無期の懲役を科されるほか、重科刑が加算される可能性がある。

ReiserFSおよびReiser4の開発は、Hans Reiser氏が代表を務めていたNamesys社主導で行われていた。ReiserFSはLinux 2.4.1以降にマージされているが、後継のReiser4については未定で、Namesys社の売却先も決定していない。氏の刑が確定すれば、ReiserFSおよびReiser4の開発は停滞するとの見方が支配的だ。