米Googleは6月12日 (現地時間)、同社のAdSense for SearchとAdSense for Contentを米Yahoo!が採用することを発表した。対象地域は米国およびカナダ。合意に排他的な内容はなく、Yahoo!は他の広告プロバイダと同様の契約を結べる。Yahoo!は同日、米Microsoftとの合併交渉の決裂を発表したばかりだった。

今回の契約でYahoo!は、北米において、Googleの技術を用いた検索広告とコンテクスチュアル広告を提供できる。これらはオプションであり、Yahoo!はこれまで同様に自社の検索エンジン、Webサイト、広告サービスを運営し続けられる。

「Yahoo!は、自社の広告プログラムをGoogleの広告技術で補完できる」とGoogle。その結果、Yahoo!の広告主はより多くのコンシューマにリーチでき、パブリッシャー・パートナーの売上げが向上する。Yahoo!のキャッシュフロー改善も期待できる。Google CEOのEric Schmidt氏は「この合意は、ユーザーにより関連性の高い広告を提供し、優れた広告技術によって広告主やパブリッシャーのビジネスを成功に導くチャンスをYahoo!にもたらす」とコメントしている。

Yahoo!は今年の4月にAdSenseの試験的な導入を明らかにした。その際にYahoo!の買収交渉を進めていた米Microsoftが、オンライン広告市場におけるGoogleの独占を強く警告していた。今回の合意ではGoogleの広告技術をどの程度活用するかはYahoo!に決定権があり、Yahoo!は既存の広告顧客との関係をそのまま維持できる。また前述の通り非排他的な契約だ。契約期間は4年間で、その後3年ごとに更新するオプションがYahoo!側にある。今回の契約内容では規制当局からの承認を得る必要はないが、司法省が合意内容を調査する期間として、Yahoo!とGoogleは合意内容の導入を自主的に最長3.5カ月遅らせるという。

両社はまた、インスタントメッセージングサービスでも相互運用を実現させることで合意したという。Yahoo!は「Yahoo! Messenger」、Googleは「Google Talk」を提供している。