総務省は19日、受信者から同意を得ていない場合の広告・宣伝メールに表示が義務付けられている「未承諾広告※」を付けずに同メールを送信したとして、兵庫県姫路市のビューティースタイルに対し、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(通称:迷惑メール防止法)に違反したとして措置命令を出したと発表した。だが、同法は2002年7月の施行以来5年半以上たっているが、同命令は今回が5件目と極めて少ない。今国会で見込まれる同法改正では、いかに実効性を担保できるかが問われそうだ。

措置命令は、状況改善への命令に従わない場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が課せられる。調べによると、ビューティースタイルは、2007年12月から今年1月までの間に、広告・宣伝メールを送信することについての同意を同社に通知していない受信者に対し、ダイエット商品や美容商品などの広告メールを、「未承諾広告※」の表示を付けずに送信した。また同省によると、同社は2007年1月から今年1月までに同様のメールを約5,000通送った可能性があり、8回に渡り同社に警告を発したという。

だが、こうした措置命令が出されたのは同法施行後今回が5件目と極めて少なく、これまでも同法の実効性の低さが指摘されてきた。同法が想定している「未承諾広告※」表示によるフィルタリング効果は、そもそもフィルタリングされると広告・宣伝の意味をなさないため、広告・宣伝メールに関する上記の規定が効果をあげていないという現状がある。

今国会で見込まれている同法改正については、送信先の同意を得なければ広告・宣伝メールを送ってはならないとする「オプトイン方式」を採用する方向で総務省が検討を始めており、同意を得ずに広告メールを送った場合は、送信業者に関する情報提供を電気通信事業者に同省が要請できるとする規定も盛り込む予定だ。

迷惑メール対策を担当する総務省 総合通信基盤局 消費者行政課 専門職 大磯一氏は「現在の迷惑メール防止法では、通信事業者にメール発信者の情報提供を求める規定が全くなく、総務省に何の権限もなかった。同法改正案にそうした規定を盛り込むことで、法律に実効性を持たせることができるのではないか」と話している。