米Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは18日、同社のロジックアナライザである「TLA7000シリーズ」用のフロントエンドモジュール「TLA7S08」と「TLA7S16」を発表した。PCI Express 2.0に対応。バスのリンク幅、リンク速度がダイナミックに変化した際にも自動的にトラッキングできることや、クロスバス解析が行えることなどが特徴である。

「TLA7S16」(左)と「TLA7S08」(右)

ロジックアナライザである「TLA7000シリーズ」と組み合わせて利用する

PCI Expressは2.0へバージョンアップされたことにより、データ転送レートが2.5Gbpsから5.0Gbpsと高速になった。そのほか、データ転送レートやリンク幅を動的に変化させて効率的なデータ伝送を行う機能や、ASPM(ActiveState Power Management)機能などが追加された。

米TektronixのLAPLプロダクトマーケティングマネージャ Lawrence Wilson氏は「より高速、高信頼性を望むコンシューマの要求により、PCI Expressはバージョン1.0から2.0へと進化した。また、インタフェース規格に独自規格を採用するよりも既存の標準規格を採用したほうが効率的であるという最近の業界の流れにより、テレビゲーム、HDDレコーダなどパーソナルコンピュータ以外でも広範囲にPCI Express規格が採用される傾向にある」と、最近のPCI Expressをとりまく環境とについて述べた。

本製品はPCI Express 2.0に対応し、データ転送レートやリンク幅がダイナミックに変化しても、自動的にトラッキングを行うことができる。さらにパワーマネジメントによりシステムが休止状態に入った場合の挙動や、PCI Express、プロセッサ、メモリ間の挙動など、システム全体の時間相関を計測するクロスバス解析など、物理層に関わる部分までも扱うことができる。そのほかにも計測したいデータのみを表示させるフィルタ機能など、優れたデバッグ環境をユーザに提供するという。

PCI Expressバスの開発はプロトコルアナライザを用いても可能だが、この点について同氏は「パワーマネジメント機能などを検証するためには物理層を計測することができるロジックアナライザが必要である。また、PCI Expressバスは単独ではなく、ほかのバスが混在するシステムの一部として存在する。したがってPCI Express単体の挙動ではなく、システム全体として複数のバスとの時間的な相関関係を見る必要がある。このようなクロスバス解析はプロトコルアナライザでは不可能で、ロジックアナライザを用いる必要がある」と述べ、プロトコルアナライザとの違いを強調した。

また、会場では本製品のデモンストレーションも行われ、データ転送レートが2.5Gbpsから5.0Gbpsへ移行する際のシステムの挙動などが紹介された。

価格はTLA7S08は688万円(税抜)、TLA7S16は938万円(税抜)。

なお本製品は、明日から明後日(19~20日)に同社が開催する「テクトロニクス・テクノロジ・カンファレンス2007」(会場:東京コンファレンスセンター品川)でも披露される。

おもな仕様
チャネル数 8または16
メモリ長(8b/10b シンボル/チャネル) 32M
サポートする
データ転送レート
2.5Gbps、5.0Gbps
リンク幅サポート
(双方向)
×1、×4、×8、×16
FTS数
(L0sアイドル後に使われる
FTPSパケット数)
12
タイムスタンプ 54ビット、25ps(分解能)