業務統合パッケージソフトベンダーのSAPは11日(米国時間)、「SAP Network Wiki」で「SAP Memory Analyzer」を公開した。SAP Memory Analyzerは、数億ものオブジェクトで構成された大規模サイズのヒープダンプを解析することを目的に、Eclipse RCPをベースにして開発されたJavaヒープダンプ解析ツール。同ツールを活用すれば、メモリチャンクの発見やどの部分が長くメモリを保持しているかの解析が可能となる。

SAP Memory Analyzerの特徴的な機能は次のとおり。

  • セッションやクラスローダにおけるメモリ使用量の解析機能
  • Eclipse RCPをベースにして開発されたUI
  • 1GBを超えるヒープダンプの解析
  • 2千万近いオブジェクトの解析(32ビット版)。64ビット版ではさらに多くのオブジェクトの解析が可能
  • 高速操作
  • ヒープにおける巨大オブジェクトを発見する機能

SAP Memory Analyzerでサポートしているヒープダンプは、標準的なHPROFバイナリ。現在のところ、Sun、SAP、HPからリリースされているJDK/JVMバージョン1.4.2_12、5.0_7、6.0以降のバージョンがサポートされている。IBMから提供されているJDKはSun MicrosystemsのHPROFバイナリをサポートしていないため解析できないという。

また、サポートしているプラットフォームは32ビットおよび64ビット版のWindows。Linuxにおいても動作は確認されているようだ。またSAP Memory Analyzerそのものを動作させるには、JRE 1.5.0かまたはそれ以降の実行環境が必要で、現在のところ「SAP DEVELOPERS NETWORK - SAP 90 DAYS EVALUATION LICENSE AGREEMENT」の下、無料でダウンロードできる。興味があるデベロッパーは試してみてはいかがだろうか。