【特別企画】

導入してはみたけれど… -よくある失敗から学ぶ、「効果的なクラウド導入のための4つのヒント」

 

思い込みや調査不足が招くクラウドへの不満足

システムの検討に際し、クラウド利用を候補に入れることが前提となりつつある昨今、実際にクラウド導入を行う企業が増えている。しかしその一方で、導入したものの思ったような成果が得られなかった、という企業も同様に増えつつあるのではないだろうか。

失敗の多くは事前調査不足が大きな原因だ。「クラウドサービスは機能の詳細まで把握するのが難しかったり、性能も実際に使ってみないとわからない面がありますから、期待した効果が得られなかったという話もよく聞きます」と語るのは、ニフティ クラウド事業部 クラウドインテグレーション部 テクニカルアカウントエンジニアの豊田氏と、クラウド事業部 クラウドインフラ部の五月女氏だ。本稿では、クラウドサービス事業者のもとに寄せられる様々な失敗例から、効果的な導入を行うためのヒントについて探っていきたい。

【失敗例1】 「クラウドは安くなるはず」の罠

クラウドはコストダウンに効くというイメージがある。だからこそコストダウンを狙って導入を試みたのに、思ったほどコストが下がらない、それどころかコストが上がってしまった、というような声もよく聞かれる。これには2種類の原因があるようだ。

安くならない原因1.
クラウド利用でコストダウンできるタイプのシステムではないケース

ニフティクラウド 豊田氏:原因の1つは、クラウド利用でコストダウンできるタイプのシステムではなかった場合です。元が小規模なシステムだと元々のコストが小さいですから、クラウド化しても大きな効果が得られないことが多く、ある程度の規模があるシステムでないとコストメリットは感じづらいでしょう。

ニフティクラウド 五月女氏:使い始めの時点ではそれほどリソースを必要していないけれど将来のために大規模なシステムを計画している、というような場合には、初期投資が小さく、柔軟にシステム規模を変更させられるクラウドのコストメリットを最大限生かせます。ただし、後述しますがクラウドの場合、検討時には想定していなかったコストが発生する可能性もありますので、入念な検討を行うことをおすすめします。

クラウドを採用すれば自動的に安くなるという思い込みは危険だということだ。スモールスタートして将来の拡張に備えたいという考えの場合には、通信量やストレージ容量、性能といったものを十分柔軟に変更できるプランであることを事前に調査して採用するとよいだろう。

また、コストダウンどころかコストアップしてしまったという場合は、クラウドのコストに関する考え方に間違いがあることが多いという。

安くならない原因2.
人的コストなどを計算に入れていないケース

ニフティクラウド 豊田氏:オンプレミスで運用していた時の人的コストなどを、コスト比較の計算に入れていないケースがよくありますね。社内エンジニアが対応している場合、システムコストとしては見えづらいのですが、実際はクラウドを利用することで社内対応が不要になり、その部分のコストが下がっているのです。

ニフティクラウド 五月女氏:単純な料金比較ではなく、そうした見えないコストまできちんとトータルで考えると、コスト面ではオンプレミスとクラウドとではかなり変わってくるはずです。また、人的コストの視点を持つことで、社内リソースの最適化についても目を向けることができます。

【失敗例2】  想定外のコストや運用負荷が!

多くのクラウドサービスは、「SLA 99.XX%」といった高い稼働率を謳っている。この数値を見る限り、ほとんどのユーザーは「クラウドにすればシステムが止まらなくなる」と安心するだろう。しかし実際にはその限りではなく、思わぬ運用面の負荷やコストに「失敗した」と声が上がることも多いのだ。

思わぬ負担がかかる理由1.
「SLA」の数値への誤認識

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ニフティクラウド 豊田氏:非常に誤解が多いのですが、各事業者が算出して提示しているSLA値は、その対象の指標が事業者ごとに異なっています。この点を検討時に踏まえないと、思わぬコストや運用負荷に繋がってしまうことがあります。

ニフティクラウド 五月女氏:たとえばある事業者AのSLA値が、「異なるゾーンで2台以上のサーバーを利用し冗長性を確保した環境」を対象とし算出していたとします。両方が同時に落ちた場合がSLAに影響しますので、同じSLA水準でサービスを利用する為にはユーザーも同じ環境が必要になります。そうすると単純にまず、2台のサーバーを異なるゾーンに配置しなければならず、2倍の料金がかかってしまうのです。

ニフティクラウド 豊田氏:ニフティクラウドの場合は1VMに対してSLAを担保しています。また、万が一サーバーが落ちた時でも自動的に冗長環境に切り替わるようにもなっています。これは別のクラウド利用経験があるお客様には、コスト面でも運用面でもよく驚かれるところです。

各事業者の公表しているSLA値について、そのスコアだけでなく指標となっている環境についても目を配らせる必要があるようだ。

また、事業者側のメンテナンスでサーバーが止まる場合がクラウドサービスにはある。オンプレミスならば自社の事業に影響が少ない日程や時間帯を選択してメンテナンスできるが、クラウドの場合は事業者側がタイミングを決めるため、この点も注意が必要だ。

思わぬ負担がかかる理由2.
事業者間で差がある「メンテナンスのアナウンス」

ニフティクラウド 豊田氏:他のクラウドを利用しているお客様から時々聞くのですが、突然「2週間後にメンテナンスでサーバーを止める」というような予告が事業者によっては来たりするそうです。事業者側のメンテナンスがそれほど頻繁ではないとしても、ユーザー側はメンテナンスに対する対応体制を作っておかなければなりません。

ニフティクラウド 五月女氏:メンテナンスへのユーザー側の対応については、通常は計画的なリソース配分をして行われます。それが突然発生してしまう場合、思わぬ工数の増大となりかねません。年に何回か対応が発生すれば、トータルで大きな負担になります。

ニフティクラウド 豊田氏:オンラインゲームやスマホアプリといった、社外のお客様向けのサービス基盤にクラウドを利用している場合は、サーバーが止まれば当然、社内対応やお客様の対応をしなければなりません。最近クラウド化が広がってきている会計や顧客管理といった社内の重要な基幹システムなら尚更、計画的な対応が求められますね。

【失敗例3】 比較検討したつもりが… - その○×表だけでクラウドのメリットを活かせるか?

クラウド利用において、失敗まではいかずとも、いまひとつメリットを活かせていない気がするという企業も多いのではないだろうか。企業によってクラウド化でメリットが出る部分は異なるため、一概に「こうすればよい」と言うのは難しいが、1つヒントがある。選定時に、機能や料金を比較するために○×をつけた表を利用することは多いが、これに頼りっきりになるのはよくない、という点だ。

○×表のみに気を取られてはいけない理由1.
同じ構成記載でも、事業者ごとにパフォーマンスが異なる場合が多い

ニフティクラウド 豊田氏:○×や数字では見えてこないものがいろいろあります。先ほどのSLAの話もそうですが、SLAの値や1サーバーあたりの料金だけを比較したのでは、運用を見据えた実際の料金比較が見えないのです。

ニフティクラウド 五月女氏:たとえばパフォーマンスに関して、クラウド事業者でA社とB社が、SSDを搭載した同じような構成のサービスを提供していたとします。SSDという言葉だけでそれら2つを同程度の性能だと期待してしまいがちですが、実際には10倍ほども性能差があった、なんてケースがよくあります。

ニフティクラウド 豊田氏:性能面については特に言えることですが、比較検討する際には実際に触ってみるのが一番だと思います。性能差が大きければ、契約すべきサーバーの台数も変わってきます。コストに直結する部分ですので、慎重にご判断いただいたほうがよいでしょう。

実際の運用時におけるパフォーマンスを検証することは、運用コストにも大きな差が出てくるため、クラウドの検討において必須と言える。

コストに関わるところではこの他にも、I/O単位での課金や、転送量の従量課金などについても、価格比較表を頼りにしていると見逃しがちだという。

○×表のみに気を取られてはいけない理由2.
表に入らない、または見逃されがちな情報が実は重要だった、というケースも

ニフティクラウド 五月女氏:I/O単位での課金や転送量を見落としていて思わぬコストがかかったという声もよく聞きます。オンプレミスからクラウドへ移行する際、初回にネットワーク経由でシステムを移すとどうしても大きな転送量が発生しますが、そこのコストを試算していなかったということは、よくありがちです。

ニフティクラウド 豊田氏:こうした部分は比較表では抜けていたり、記載していても見逃されがちだったりします。ニフティクラウドの場合I/Oへの課金はなし、転送量は標準で10TBまでを含んでいます。ほとんどの場合10TBは使い切りませんから、転送量での課金は発生しないと考えてよいでしょう。

ニフティクラウド 五月女氏:ほかにも、「時間単位か月単位か」といった「課金形式」や、「設定変更や申し込み」といった「申請が書類ベースかコントロールパネルベースか」といった点も、細かいながら運用の幅に影響する重要な事項です。

ニフティクラウド 豊田氏:例えば「最初は時間課金などで最適なプラン選定や設定を模索し、翌月から月額課金にする」といった導入方法を想定している場合、少なくとも課金形式は両方対応できるサービスでないといけませんし、運用の切り替えをスムーズにするために、Webで申請を完結できたほうがベターだと言えます。

【失敗例4】 そんなに簡単になる方法があったの!? 便利な機能に気付かないために運用負荷が減らない

クラウドに移行して、「サーバー調達は楽になったけれど、それ以外の運用面ではあまり楽になってない」と感じている企業も多いのではないだろうか。もしかするとそこには、「運用が楽になるポイントを見逃してしまっている」ことがあるのかもしれない。クラウドの選択時には、IaaSのみでなく、運用負荷を軽減する「PaaS」の存在にも注目したい。

運用が楽にならない原因 .
使えば楽になる、「PaaS」という存在を見逃しているケース

ニフティクラウド 五月女氏:IaaSの部分に注目が集まりがちなクラウドですが、PaaSを活用して初めて運用が楽になることに気が付くことが多いです。たとえば一般的に負荷が高いと言われているメールサーバーの運用について、ニフティクラウドの場合、エンジニアリングパーツという名称で、PaaSとしてSMTPを利用できる機能を提供しています。これを使えばかなりの運用負荷軽減になるはずです。

ニフティクラウド 豊田氏:データベースの構築や運用も負荷が高い作業だと言われていますが、ニフティクラウドでは、MySQLやPostgreSQLといったRDBをPaaSとして利用できます。お客様自身が構築するよりもコストを下げることができますし、ボタン1つで利用できますので、運用開始までの時間もずっと短くなります。急いで構築したい時にも便利ですし、こういったPaaS機能を上手に利用して欲しいですね。

ニフティクラウド 五月女氏:補足ですが、たとえばDNSなら、冗長構成を組んだものをサービスとして提供しています。こうしたものを自社で運用するのは負担が大きいですよね。ニフティではメールサーバーやRDBの他にもDNS、ESS(メール配信)、プッシュ通知といった機能をサービスとして提供しています。これらを上手く活用すれば、クラウドで楽になったという実感が得られるはずです。

ニフティクラウド 豊田氏:運用負荷の軽減だけではありません。例えばセキュリティについてはお客様自身が担保しなければならない範囲がありますが、PaaSをうまく活用すれば、アプリケーション層までのセキュリティを事業者側に担保させることも可能なのです。負荷軽減のみでなくリスク回避もできるため、システム部門としてサーバーの調達が楽になったというレベルを踏み超えて、経営層の視点から見ても大きなメリットがあります。PaaSはもっと活用すべきものだと思います。

クラウドによくある失敗から学ぶ、効果的な導入のヒントまとめ

1)「クラウドは安くなるはず」の罠
 - クラウド導入のメリットが活きるシステム規模か?
 - オンプレミスでかかっていた「見えないコスト(人的コスト等)」もチェック!
2)思わぬ負担が… - 同じ「SLA 99.XX %」でも条件の違いでコストと運用負荷負担が跳ね上がる!
 - SLAで保証している条件の違いを考慮しているか?
 - メンテナンスのアナウンスは余裕を持って行われるか?
3)比較検討したつもりが… - その○×表だけでクラウドのメリットを活かせるか?
 - 性能面は実際に触って確かめるべき。性能差がサーバーの台数の違いに!
 - 比較表で重要な情報が見逃されていないか?
4)そんなに簡単になる方法があったの!? 便利な機能に気付かないために運用負荷が減らない
 - 使えば楽になる、「PaaS」という存在を見逃しているケース

事業者ごとに異なるサービス内容 - 詳細を知るのが導入成功の肝

ここまで再三紹介してきたが、クラウドサービスは事業者ごとに、提供している内容や、同じ名称が示している事項の指標などが異なる。SLAの考え方やディスクの性能、追加料金が発生するポイントなどに既に触れたが、他にもファイアウォールといったセキュリティ機能やサーバーの管理機能にも違いがある。これらを詳細まで確認し、実際に使ってみるなどしてしっかり認識することが、クラウドを使いこなし、導入に成功するコツだ。

最後に、本稿に協力いただいた豊田氏、五月女氏に、ニフティクラウドが支持される特長や新たな提供サービス、近年の企業の動向を伺った。

セキュリティ面への高い要件と、そこに対応する機能、提案力

ニフティクラウド 五月女氏:ニフティクラウドは、最近では企業の基幹システムを運用する用途で利用されることも多いため、細かい機能にまで踏み込んだ質問を多くいただきます。たとえばファイアウォールですが、オンプレミスでは考えられない「グループ化」というような使い方を行うことがあります。ニフティクラウドが持つファイアウォールのグループ機能は、同一ネットワークセグメント内でも、VMごとにアイソレーションしてファイアウォールを設置できるというものです。

ニフティクラウド 豊田氏:VMを1台ごと、またはグループ単位に分離して考え、それぞれにファイアウォールを設定しますので、万が一特定のVMが乗っ取られても、別のVMには影響しません。オンプレミスの場合はセグメントを分けて対応する事項ですが、実はこうした機能を持たないクラウドも多くあります。お客様がセグメントを分けたいとおっしゃった時に、「可能ですが、こういう方法になりますよ」と紹介すると驚かれますね。グループ機能を理解していただくと、管理がしやすくなりますし、システム構成の幅が一気に広がります。

セキュリティ関連機能としては他にも、サーバーのグローバルIPを取り外してしまうということもできる。インターネットアクセスを受けないサーバーとすることで、「攻撃から防御する」のではなく、「攻撃を受けずに済む」ようにもできるわけだ。

初期構築や運用管理における、ニフティクラウドの新たなサービス

ニフティクラウド 豊田氏:システム移行期には大量のデータ転送が必要になります。ニフティクラウドでは10TBまでを標準料金に含んでいるので、よほどのボリュームでない限り追加のコストは発生しませんが、作業工数や時間の負荷を軽減するために、HDDを物理的に送付してデータをクラウド上に展開してもらう「ディスク受取サービス」も提供を開始しました。

ニフティクラウド 五月女氏:こういった構築や運用管理面における細かな部分も、ニフティクラウドが評価されるポイントだと思います。ニフティクラウドではコントロールパネル上からグラフィカルなネットワークイメージ図が確認でき、サーバーやルーターなどの接続を表示しながら操作ができます。こういう機能は「運用しやすい」とお客様に喜ばれますね。

ニフティクラウドでは、グラフィカルなネットワークイメージを表示しながら操作が可能

クラウドサービスが持つこうした運用管理機能を十分に知ることも、クラウド導入を成功させ、メリットを最大化させるポイントだ。サービス基盤だけでなく、企業の基幹システムのクラウド移行も加速する中、最適なクラウド導入を行う為に、カタログ上の情報だけで判断せず、各事業者に直接相談するなどして、慎重なクラウドサービスの検討を進めていただきたい。

ニフティクラウド 豊田氏:ニフティクラウドでは、現在お客様がお使いになっているサーバーについて詳細を伺い、最適なプラン選定ができるようアドバイスをさせていただいております。不安があるから、という理由でクラウド導入時には必要以上のスペックを選択しがちですが、出来るだけオーバースペックにならないよう、これからもお手伝いしたいですね。


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