一度入ってしまえば定年まで面倒を見てくれる“終身雇用”の時代が終わり、“転職が当たり前”となっている現代。転職経験や、転職の二文字が頭をよぎったことがある人も多いのでは? 残業が少ない職務につきたい、給料をアップさせたい、やりがいのある仕事がしたいなど希望はつきないが、しかし、リスクも伴っていることを忘れてはイケナイ! 転職のやり方を間違えたら、奈落の底に突き落とされてしまうこともあるのだ。今回は、そんな身の毛もよだつ転職での“恐怖話”をご紹介しよう。

【プロフィール】
藤田孝弘(ふじた たかひろ) アデコ株式会社 シニア・キャリアコンサルタント
人材採用と教育・人事制度関連のコンサルティングに約10年間従事し、その後、IT専門の人材サーチ会社にてITコンサルタントやSEを中心とした人材のキャリアコンサルタントを約5年経験。その後アデコに転職。IT業界を中心に、これまで4,000名以上の方の転職支援を行ってきた。

■転職で起こりがちな4つのトラブル

4,000人以上の転職支援を行ってきたキャリアコンサルタント藤田孝弘氏に、手始めに“転職でありがちなトラブル”を聞いてみた。主に以下の4つのケースが多いという。

1.仕事が忙しく企業に指定された面接日時の調整がつかない
在職中の方のため、応募企業に営業時間後に面接を設けていただく場合、時間的なことを考えると1日に1人を面接するのが一般的である。1日に一つしかない時間枠をその人のために用意しているのだ。理由はどうであれ一度約束をしたら変更しないのがマナーとしては鉄則。業務の予定繰りが難しそうな場合には、有休を取るなど、必ず行けるような段取りが必要だ。万が一、変更やキャンセルをする場合も、許されるのは一度までと考えたほうが良い。

企業側としては、採用意欲の度合いを判断する材料の一つと捉える場合もあり、最悪の場合、選考見送りと判断される可能性もあることを覚悟しておく必要がある。せっかく得た面接というチャンスを絶対に逃してはならない。

2.内定をもらったのに、第一志望の企業の選考がまだ残っている
第二志望の企業の選考が予想以上に早く進み、先に内定が出て、早々に入社の意思表示を求められているが、実は第一志望の最終面接を一週間後に控えているというケース。応募先の優先順位と選考プロセスを考えて応募しないと、こういったトラブルが起こりやすい。人材紹介会社を通じて応募すれば、予め選考に要する期間を予測して、応募手続きを進めてくれるので、ぜひアドバイスを受けてほしい。

3.「内々定」を「内定」と勘違い
「内々定」とは、簡単に言えば口約束にすぎない。面接や面接後の企業コメントで「あなたのことを採ろうと思っている」と言われ、会社に退職願を出してしまったが、結局正式な「内定通知」は出なかったというケースもある。採用担当や配属部署があなたを「採用したい」と意向を固めても、社内手続きを取り、会社として採用が決定してはじめて書面で「内定通知」「雇用条件通知書」を出してくれる。この書面を受け取ることが正式な「内定」であることを理解して、次の行動を起こすこと。浮き足立って、事を急いではイケナイ!

4.家族からの同意が得られない
転職について相談するのは、信頼できる同僚や友人という方が多いだろう。転職活動を行っていることは、なるべく知られずに行うのが良いことは間違いない。ただし、家族は別である。日ごろ、仕事の話はしないからといって、転職活動をしていることを黙っていると、思わぬ障害になってしまうこともある。

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