BTOメーカー製のパソコンを買うとき、CPUやグラフィックスカードは気にしても、「電源ユニット」を気にするユーザーはそれほど多くないのが実状だ。生粋の自作PCユーザーの間では「不具合があったらまず電源ユニットを疑え」というくらい、電源ユニットの善し悪しを見定めるのは基本中の基本となっている。CPUもメモリもHDDもグラフィックスも、あらゆるパーツは電力の供給無しで稼働することはない。もし、その電力の供給が不安定だったり、品質が悪かったとすれば、当然安定稼働など望みようもないのである。
パソコンにとって非常に大事なパーツ、それが「電源ユニット」だ。これはBTOメーカー製のPCにだってきちんと当てはまる。さらにいえば、オプションが豊富であらゆるパーツの組み合わせが想定されるだけに、もっと気を遣ってもよいはずなのだ。そんな大事な電源ユニットだが、最近これに非常にこだわっているBTOメーカーがある。それが、マウスコンピューターだ。彼らが用意している電源ユニットについて、調べる機会があったので早速レビューしてみよう。
電源ユニットが起因するトラブルは意外と多い
電源ユニットはその名のとおり、PCパーツに電力を供給する機器だ。家庭内などで使われる100Vの電気を様々な回路を使って、パソコンが使える電気に変換する機器と言い換えると分かりやすいだろう。
この電源ユニットは通常稼働している場合は、外部からはほとんど意識されない。ほかのパーツのように体感できるような違いも出づらいし、普通にPCが動いている状態ならば、その存在すら忘れられがちになる。
とはいえ、粗悪な電源ユニットの場合、この"普通に動いている"状態の中で、着々とPCパーツに負担を与え続けるケースもある。例えば5Vの電気が必要な回路に向けた出力が時々それ以下になったり、そもそも不安定であったりすれば、パーツにはそれだけ負荷が掛かり続けてしまうことになる。そして、いつの日かその負担が原因で不具合が生じ、ようやくユーザーの前に"トラブル"という状態で目にみえるようになるのだ。
お分かりいただけたろうか? トラブルが起こったときにはすでにパーツはほぼ致命傷を受けていることになる。調べた結果は、そのパーツの故障というイメージを受けがちだが、実際には電源ユニットがトラブルを引き起こす最大要因であったというケースは、多く存在しえるのだ。
冒頭で述べたとおり「不具合があったらまず電源ユニットを疑え」というのは、ここから派生した言葉だ。つまり、経年劣化や初期トラブルを除き、PCのパーツ類が急に壊れたときの大きな原因の、さらに大元となりえるのが電源ユニットの品質なのである。