ネットギアジャパン(以下、ネットギア)から登場した「Stora(ストラ)」は、高機能で使いやすい個人向けのNASキットだ。HDDは別途用意する必要があるが、実売価格が11,800円程度という価格の安さも大きな魅力である。前編では、Stora(ストラ)の基本的な機能やセットアップについて解説したが、後編ではStora(ストラ)の豊富な機能を活かす利用方法を紹介しよう。

レビューシリーズ前編となる
【 高機能でもリーズナブル! ネットギアの個人向けNASキット「Stora」(前編) 】
も合わせてご覧ください。

WiDiアダプタ「Push 2 TV HD」と組み合わせてもっと便利に

Stora(ストラ)は単体でもさまざまな場面で役に立つが、WiDi対応ノートPCとWiDiアダプタと組み合わせることで、さらに便利になる。WiDiとは、インテルが開発したワイヤレスディスプレイ技術であり、無線LANを利用してPCの画面を伝送する技術だ。WiDiを利用するには、WiDi対応ノートPCとWiDiアダプタが必要だ。WiDiはまだ比較的新しい技術だが、最新の2011年夏モデルPCでは、WiDiに対応したノートPCが少しずつ増えてきた。

WiDiに対応した富士通の12.1型モバイルノートPC「LIFEBOOK PH74/C」

ネットギアのWiDiアダプタ「Push 2 TV HD」は小型軽量で持ち運びにも便利。テレビと接続する映像出力として、HDMI端子とコンポジット端子を備える

ここでは、WiDi対応ノートPCとして富士通の「LIFEBOOK PH74/C」を、WiDiアダプタとしてネットギアの「Push 2 TV HD」を用意し、Stora(ストラ)のリモートアクセス機能と組み合わせてみた。Push 2 TV HDは、コンパクトなWiDiアダプタで、モバイルノートPCと一緒に持ち運んでも苦にならない。

Push 2 TV HDと大画面テレビをHDMIケーブルで接続

WiDiの利用方法は簡単だ。まず、テレビとWiDiアダプタをHDMIケーブルで接続し、WiDiアダプタの電源を入れる。次に、ノートPC側でWiDi接続用ユーティリティを起動し、接続するWiDiアダプタを選択する。初回接続時のみ、テレビ画面に表示される4桁のパスコードをPCに入力する必要があるが、次回からはパスコードの入力は不要で、自動的に接続が行われる。WiDiアダプタとノートPC本体の間は無線LANで接続されているので、ケーブルにわずらわされることなく、ノートPCを自由に移動できる。WiDiは最大1,920×1,080ドット(フルHD解像度)の伝送に対応し、映像と音声を同時に転送可能だ。

Push 2 TV HDの電源を入れ、ノートPC側でWiDi接続用ユーティリティを起動。自動検出されたPush 2 TV HDを選択するだけで、ノートPCの画面がワイヤレスでテレビに出力される

ノートPCの画面をPush 2 TV HDでテレビ出力した状態で、Stora(ストラ)にリモートアクセスしたところ。このままStora(ストラ)内のコンテンツの再生が可能だ

Stora(ストラ)のリモートアクセス機能を利用することで、友人の家にノートPCとWiDiアダプタを持って行き、自宅のStora(ストラ)内の動画や写真を友人のリビングの大画面テレビに表示させてみんなで楽しむといった使い方もできる。WiDiでの転送にはわずかにタイムラグがあるが、伝送自体は安定しており、動画がコマ落ちするようなことはまずない。また、ノートPC本体とWiDiアダプタの距離を10m程度まで離しても、伝送が途切れることはなかった。

Stora(ストラ)に保存したコンテンツをPlayStation 3で再生する

Stora(ストラ)は標準でDLNAとUPnP対応のメディアサーバ機能を搭載しているため、同じくDLNA/UPnP対応のAV機器などでStora(ストラ)内の動画や音楽などのメディアコンテンツを再生できる。デフォルトでメディアサーバ機能が有効になっているので、面倒な設定は一切不要だ。ここでは、DLNAに対応したPlayStation 3を利用して、Stora(ストラ)内のコンテンツの再生を試してみた。

Stora(ストラ)のボディは光沢のあるブラックなので、黒のPlayStation 3ともよく似合う

Stora(ストラ)とPlayStaion 3を同じネットワーク(LAN)に接続するだけで、準備はOKだ。PlayStation 3のクロスメディアバーで「フォト」や「ミュージック」、「ビデオ」を選べば、Stora(ストラ)が「Stora:UPnP-AV」として認識され、Stora(ストラ)のFamilyLibrary内にあるコンテンツにアクセスできる。

PlayStation 3のクロスメディアバー(メニュー)で、「フォト」や「ミュージック」、「ビデオ」を選べば、Stora(ストラ)が「Stora:UPnP-AV」として認識されている

写真はサムネイル形式で表示され、スライドショー表示も可能だ

再生可能なファイル形式は、PlayStation 3が対応するものに限られるが、操作のレスポンスも速く、快適な再生が可能だった。Stora(ストラ)とPlayStation 3のようなDLNA対応デバイスがあれば、デジカメで撮影した写真や動画、インターネットで入手した動画などをStora(ストラ)に保存しておき、簡単に大画面テレビで楽しめる。運動会や旅行で撮った写真や動画を、家族みんなで見たいというようなシーンでも大変便利だ。