こんにちは、阿久津です。Windows OSにはショートカットファイルという、深い階層に置いた実ファイルを扱いやすくするために、リンクを作成する機能が用意されています。Windows Vistaでは、このほかにも、ファイルシステム的にはリンク情報が格納された0バイトのファイルながらも実ファイルと同じようにアクセスできる「シンボリックリンク」や「ハードリンク」が用意されています。しかし、コマンドラインから操作しなければならないため、いまだ普及に至っていません(詳しくは過去の記事をご覧ください)。
そのためWindows OSにおけるショートカットファイルは、いまだ重要な存在となりますが、本連載をご覧になっているWindows OS好き(?)、もしくはチューニング好きの読者ならご存じの定番チューニングのひとつに、「" - ショートカット"をつけない」というものがあります。これは、ショートカットファイル作成時に、ファイル名のサフィックス(接尾辞)を取り除くというもの。
ちなみにWindows XPまでは「~のショートカット」というサフィックスがつけられていましたが、これらはレジストリ上のデータではなく、%SystemRoot% \ System32 \ Shell32.dllで定義されたものを使用しています。XN Resource Editorで同ファイルを開いてみますと、String Table \ 260 \ 1041(日本語)にあるテーブル番号4154に格納されていることが確認できました。ちなみに同一フォルダ内にファイルをコピーするとつけられるサフィックスは、String Table \ 262 \ 1041(日本語)のテーブル番号4178で確認できます(図1)。
この情報を管理しているレジストリエントリが、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorerにあるバイナリ値「link」です。同エントリにはショートカットファイル作成に関する設定値が書き込まれており、初期状態はお使いの設定環境によって異なります(筆者のメインコンピュータでは1E~でしたが、実験用コンピュータでは17~でした)。
本来、そこにあるファイルが実ファイルなのかショートカットファイルなのかは、ショートカットアイコン(アイコン左下に重ねて表示されるアイコン)で判断できますので、今回は" - ショートカット"をつけないチューニングを行ないましょう。
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まず、クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorerまでキーをたどって開きます。次に右ペインにあるバイナリ値「link」をダブルクリックで開き、値のデータにある数値の先頭値を「00」に書き換えて<OK>ボタンをクリックしてください。レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動すれば設定完了です(図2~4)。
図3: HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorerまでキーをたどって開き、バイナリ値「link」をダブルクリックで開きます |
このチューニングを行なうことで、ショートカットファイル作成時に自動付加するサフィックスが無効になります(図5)。
注意しなければならないのが、チューニング終了後は再ログオンではなく再起動しなくてはならない、という点。再ログオンではバイナリ値「link」が書き換わってしまい、正常に動作しません。また、ショートカットアイコンを無効にするチューニング(HKEY_CLASSES_ROOT \ lnkfileにある文字列値「IsShortcut」を削除)を行ないますと、実ファイルなのかリンクファイルなのか判断するため、プロパティダイアログを確認する必要がありますので、同チューニングとの同時使用はお控えください。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)