インターネットへの接続と直結する「ネットワークと共有センター」。Windows 8以降、モダンUIとの統合によって少し分かりにくくなっている。今回はブリッジ接続について解説しよう。
「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。
「ブリッジ接続」とは
最近のPCは、複数のネットワークアダプター(有線LANと無線LANなど)を備えているものが多い。デスクトップPCで複数のイーサネットポートを備えるケースや、ノートPCで有線LANと無線LANの両方に対応する製品などだ。
Windows XP時代には、「ブリッジ接続」という複数のネットワークアダプターを仮想的にまとめる機能が備わっていた。ただし、ブリッジ接続自体はWindows固有の機能ではなく、Linuxなど他のOSでも使われている。
ブリッジ接続はWindows 8.1にも継承され、今でも便利に利用できる。例えば、筆者は複数のISP(インターネットサービスプロバイダー)と契約しており、極端な例ではあるが、一方がメンテナンスなどで断線してしまう場合でも、ブリッジ接続することで外部への接続が復帰する仕組みだ。異なるネットワークセグメントを作成している場合も、シームレスに両方のネットワークへアクセス可能になる。
ちなみに、スイッチングハブとの違いをごく簡単に述べると、スイッチングハブはハードウェアで必要な計算を行い、ブリッジはソフトウェアで処理している。また、Windows 8.1などのクライアント向けOSには、Windows Serverが備えるNLB(ネットワーク負荷分散)のような機能も備わっていない。ブリッジ機能のパフォーマンス向上を期待するのは難しいのである。
「ブリッジ接続」を作成する
「ブリッジ接続」を作成してみよう。通知領域のネットワークアイコンを右クリック/長押しし、「ネットワークと共有センターを開く」からナビゲーションウィンドウの「アダプターの設定の変更」をクリック/タップしてもよいが、下図のように検索チャームを使うと簡単だ。
続いて「ブリッジ接続」に加える、複数のネットワークアダプターを右クリック/長押しし、メニューから「ブリッジ接続」を選択する。このとき「Microsoft Network Adapter Multiplexor Driver」のインストールを終え、ネットワーク情報の最適化を終えると、「ブリッジ接続」の完成だ。
ネットワークアダプターを確認すると、ネットワークアダプターのネットワーク名が「有効、ブリッジ」に切り替わり、新たに「Network Bridge」が加わる。
IPアドレスなどの数値は、「インターフェースメトリック」というネットワークアダプターの優先度を示す数値が使われる。この値が小さいネットワーク接続の設定が用いられる仕組みだ。同一値の場合、ネットワークアダプター名の順序で選択する。
「ブリッジ接続」を解除するには、ネットワークアダプターを複数選択した状態のメニューで「ブリッジから削除」を選択するか、「Network Bridge」を削除すればよい。
ブリッジ接続時の「Network Bridge」情報。本情報はコマンドプロンプトから「ipconfig /all」コマンドでも確認できる。インターフェースメトリックは、「netsh interface ipv4 show config」コマンドで確認可能だ |
阿久津良和(Cactus)