インターネットへの接続と直結する「ネットワークと共有センター」。Windows 8以降、モダンUIとの統合で分かりにくくなったため、今回はちょっと便利なTipsを紹介しよう。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

ネットワーク接続の名称を変更する

Windows 8.1が検出し、名付けるネットワークアダプター名(ネットワーク接続名)は、基本的に固定されている(PCが搭載している有線LAN/無線LANインタフェースに対して、Windows 8.1が付ける名称)。有線LANの場合は「Ethernet0」(イーサネット)、無線LANの場合は「Wi-Fi」となるのが一般的だ。

自動的に名付けられるネットワークアダプター名

特に問題はないものの、複数のネットワーク回線を引いている場合や、複数のネットワーク接続を使い分けているような場合は、もう少し分かりやすい接続名にしておくと便利だ。ネットワークの接続名は、「ネットワークと共有センター」のナビゲーションウィンドウに並ぶ「アダプターの設定の変更」をクリック/タップすると開く、「ネットワーク接続」で変更できる。

通常のファイル/フォルダーと同じように選択し、[F2]キーを押せばリネームできる。なお、ネットワーク接続を選択すると、エクスプローラーのツールバーに「この接続の名前を変更する」が現れるので、そちらをクリック/タップしてもよい。

名前を変更するネットワークアダプターを選択して[F2]キーを押す。編集モードに入ったら任意の名称を入力して[Enter]キーを押せば変更完了だ

「ネットワークと共有センター」にも、ネットワークアダプター名の変更が反映されている

ネットワーク名を変更する

無線LANをお使いの場合、接続した時点で、無線LANルーター/アクセスポイントのSSIDがネットワーク名として適用される。それ自体は問題ない。だが、DHCPサーバーから取得したIPアドレスが、同じアドレスクラスの場合、有線LANにも適用されてしまうため、違和感を覚えたことはないだろうか。

無線LANが取得したSSIDが、ネットワーク名として適用された状態

このネットワーク名は「ローカルセキュリティーポリシー」で変更可能だが、Windows 8.1 Proが備えるツールなので、Windows 8.1では利用できない点に注意してほしい。

「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「secpol.msc」と入力し「OK」ボタンをクリック/タップする

「ローカルセキュリティポリシー」が起動したら、「ネットワークリストマネージャーポリシー」をクリック/タップで開き、SSID名の項目をダブルクリック/タップする

「ローカルセキュリティーポリシー」を起動したら、SSIDが用いられているネットワークアイコンをダブルクリック/タップで開き、「ネットワーク名」タブの「名前」をクリック/タップで選択。テキストボックスにネットワーク名を入力すればよい。

「名前」セクションで「名前」をクリック/タップし、テキストボックスに任意のネットワーク名を入力して「OK」ボタンをクリック/タップする

これでネットワーク名の変更が完了した。「ネットワーク接続」で見ると、有線LANと無線LAN、いずれのネットワーク名も一緒になってしまう。だが、「ネットワークと共有センター」からは、アイコンおよびネットワークアダプター名が明示されるため、ネットワーク接続状態が把握しやすくなるのだ。

こちらが設定後の状態。ネットワーク名が更新されたことを確認できる

「認識されていないネットワーク」とは

ネットワーク名変更の応用Tipsだ。Windowsでは、IPアドレスの自動取得が正しく行われないなど、いくつかの条件が重なると「認識されていないネットワーク」となる。例えば、複数のネットワークアダプターを用いていて、一方にゲートウェイを設定しない場合、有線LANを用いたネットワーク接続も分類されてしまう。

「識別されていないネットワーク」の一例

こちらの名称は変更できないものの、問題はネットワークプレースが「パブリックネットワーク」となってしまう点。例えば、仮想化ソフトウェアの仮想ネットワークアダプターが分類されると、各種ネットワークサービス利用時に支障が出てしまうのだ。

この問題を改善するには、「ローカルセキュリティーポリシー」の「識別されていないネットワーク」のネットワークプレースを固定すればよい。

先の手順を参考に「ローカルセキュリティポリシー」を起動し、「ネットワークリストマネージャーポリシー」の「識別されていないネットワーク」をダブルクリック/タップ。「場所の種類」セクションの「プライベート」→「OK」ボタンとクリック/タップする

これで「認識されていないネットワーク」に類するネットワーク接続でも、Windowsファイアウオールの設定や、Windows Serverへのアクセスなど各場面で正しく利用可能になる。

これで「識別されていないネットワーク」も、「プライベートネットワーク」として稼働する

阿久津良和(Cactus)