サイトの85%を刷新! 2011年1月17日午前0時、"MSN Japan"はこう生まれ変わる

マイクロソフトが、「MSN Japan」を2011年1月17日午前0時にリニューアルする。1996年4月に日本でサービスを開始したMSN Japanは、2011年4月にちょうど15周年を迎えるのだが、それを待たずに大規模なリニューアルを実施する。

そのリニューアルを「生まれ変わる」という言葉で表現するのは、マイクロソフト コンシューマー&オンライン事業部 MSNエグゼクティブプロデューサーのショーン・チュウ(儲 俊祥)氏。今回のリニューアルを指揮した人物だ。「サイトの85%を刷新する。全世界でここまで大きなリニューアルをした例はない。日本のユーザーに毎日使ってもらえる次世代のポータルを実現した」と自信をみせる。

MSN Japanのページビューおよびユニークユーザー数は増加傾向にある。それにもかかわらず、これだけ大規模なリニューアルをするのは、成長曲線をさらに上向かせ、先行するポータルサイトを追随する狙いととともに、次世代サービスへといち早く移行したいという狙いがあるからだ。

すでに、米国のMSNをはじめとする全世界のMSNでは、2010年3月から順次、MSNのロゴの変更が実施され、あわせて新たなサービスが各国で追加されている。だが、最後発となる日本のMSNのリニューアルはそれとは比べモノにならないほどの刷新となる。「ホームページ、トピックス、MSN産経ニュース、ゲームという、MSNの特徴ともいえるサービスを一斉に変更する」からだ。

デザインは全ページに渡って白を基調としたものに変更。モバイル系の小さな画面でも読みやすいようにメイリオフォントを採用。読みやすさを優先した行間も、日本独自のものとなる。左カラム部分には、「縦ナビ」と呼ばれる縦配列によるナビゲーション表示を3年ぶりに復活させている。

また、トップぺージには、TwitterやFacebook、mixi、Hotmailといったソーシャルメディアのモジュールを用意。リアルタイムで更新情報を表示することができる。

トピックスでは、「男ブログ」「女ブログ」の名称を用いて、ユーザー層にあわせてブログによる情報収集を行えるようにし、さらにマイクロソフトが提供する検索エンジン「Bing」を活用した情報収集も実現している。

MSN産経ニュースでは、新たなレイアウトを採用するとともに、産経新聞社の写真報道局が提供する「産経フォト」を開始。「構想3年によって実現したもの。報道写真を画面一杯に表示することで、これまでにない報道写真を提供できる」とする。あわせて、同コーナーにおける写真に関するコンテンツを充実させたのも特徴だ。

そして、ゲームに関しては、ハンゲームを展開するNHN Japanとの提携によって、「MSNゲーム」を開設。約130種類のゲームを無料でプレイすることができるようにした。

今回のリニューアルのコンセプトは「ソーシャル化」、そして「オープン化」である。

過去15年間のMSNを振り返ると、1996年にスタートしたMSNは、HotMailやMS Messengerを利用するためのコミュニケーションサービスを特徴としていたが、2006年以降、ニュースをはじめとするコンテンツの強化に乗り出してきた。

「今回のリニューアルは次の15年を見据えたリニューアル。ユーザーがPCの画面上に、MSNを表示しておけば、ソーシャルメディアやニュース、天気予報などを、更新ボタンを押さずに最新のものを表示できる。ユーザーが自分から情報を探しに行くのではなく、MSNが自動的に欲しい最新情報を提供する。こうしたサービスを提供できるのはMSN Japanしかない」と語る。

全世界のMSNのなかでmixiのモジュールを用意したのは、日本だけの特例だ。グローバルでは、TwitterやFacebook、Hotmailの3つにソーシャルメディアに限定され、例外は認めないという基本方針を曲げてまで認めさせたものである。ここにもソーシャル、オープンにこだわる、日本のMSNの強い姿勢を感じることができる。

今回のリニューアルにあわせて、同社では、「さがすの先へ、ようこそ」という日本語タグラインを用意した。フィード機能などを活用することで、自分から探しに行かなくても最新情報が提供されるという、新たな探し方を提案しているMSN Japanの特性を示した言葉である。「『おまかせ』という言葉を使いたかったが、それではタグラインとしては格好悪いので」と、チュウ氏は笑う。ひとことでいえば、「おまかせポータル」というのが、実はMSN Japanが目指した次世代ポータルの姿だといえる。