FileMakerでアプリケーションを組むメリットのひとつに、レイアウトが組みやすい点があげられる。直感的に線や丸・長方形やフィールドを配置できるので、簡単に帳票もデザインすることが可能だ。この辺りの操作性はFileMaker Pro 5といった旧バージョンから変わっておらず、いまでも「FileMaker = 帳票が組みやすい」というイメージを持つユーザ/デベロッパは少なくないだろう。

前回よりFileMaker Pro Advancedの機能「データベースデザインレポート」を活用したWeb帳票を実装するにあたり、XMLの見方について紹介している。今回はその続きとして、テキストオブジェクトに関連する属性・プロパティ詳細について取りあげていこう。

データベースデザインレポートの仕様 - テキストオブジェクトに関連する属性・プロパティ

Layout->Object['Rotation']

オブジェクトの角度(回転)を数値で示す。格納される値は「0」「900」「1800」「2700」のうちのいずれか。

オブジェクトの配置角度は、配置 > 90度回転から調整する

図に配置したテキストオブジェクトのRotationには、(1): 0, (2): 2700, (3): 1800, (4): 900が格納される

Layout->Object->StyleId

オブジェクトのユニークなIDが格納されている。この数値は後述のObjectStyleのidと対応しており、フォント名や文字サイズ、各種書式の設定値を取得する際に必要となる。

Layout->Object->StyleIdは、Layout->ObjectStyleのidと対応している。該当オブジェクトの各種書式の設定値を取得する際に必要

Layout->Object->TextObj->CharacterStyleVector->Style->Data

テキストオブジェクト内の文字列が格納されている。

Layout->Object->TextObj->CharacterStyleVector->Style->
CharacterStyle->Font-family

Layout->ObjectStyle->CharacterStyle->Font-family

テキストオブジェクトのフォントが格納されている。対応するCSSプロパティはfont-family。

Layout->Object->TextObj->CharacterStyleVector->Style->
CharacterStyle->Font-size

Layout->ObjectStyle->Style->CharacterStyle->Font-size

テキストオブジェクトの文字サイズが格納されている。単位はpt。対応するCSSプロパティはfont-size。

Layout->ObjectStyle->CharacterStyle->Face

Layout->ObjectStyle->Style->CharacterStyle->Face

テキストオブジェクトに設定したスタイルを数値で示す。スタイルはインスペクタの外観タブ > テキストにて確認・編集が可能。

テキストのスタイルはFileMaker Pro 11以降、インスペクタから確認・編集をおこなう

Face値 対応するスタイル
0 スタイル設定なし
64 単語下線
128 二重下線
1 字消し線
8192 字間狭く
16384 字間広く
2 スモールギャップ
48 タイトル
16 大文字
32 小文字
4 上付き
8 下付き
256 太字
512 斜体
1024 下線

複数のスタイルが設定されている場合は、それらが足しあげられた値となる。たとえば単語下線と字消し線を同時に設定した場合のFaceは、64+1で65となる。

テキストオブジェクトに設定したスタイルは、Faceの数値で表現される。複数のスタイルが設定されている場合は、それらが足しあげられた値となる。たとえば単語下線と字消し線を同時に設定した場合のFaceは、64+1で65となる

Layout->ObjectStyle->CharacterStyle->Color

Layout->ObjectStyle->Style->CharacterStyle->Color

テキストオブジェクトの文字色が16進数のRGB値として格納される。lineColorやfillColorは8桁だが、こちらは6桁での表記なので注意。対応するCSSプロパティはcolor。

TextObj->CharacterStyleVector->Style->Dataにテキストオブジェクトの文字列が。CharacterStyle内にフォント名、フォントサイズ、スタイル、文字色が格納されている

Layout->ObjectStyle->ParagraphStyle->Justification

テキストオブジェクトのテキスト配置を数値で示す。対応するCSSプロパティはtext-align。

Justification値 対応するテキスト配置
2 中央寄せ
3 右寄せ
4 両端揃え
(空欄/定義なしを含める)上記以外 左寄せ

テキストオブジェクトに設定したテキスト配置はJustificationから判別する

このテキストオブジェクトは中央寄せのテキスト配置をおこなっているので、Justficationの値は2となる

Layout->ObjectStyle->ParagraphStyle->SpaceLeading

テキストオブジェクトの行間を数値で示す。行間の単位はunits属性に数値として表現される。対応するCSSプロパティはline-height。

units値 対応する行間の単位
0
1 Points (px)
2 Centimeters (cm)
3 Inches (in)

テキストオブジェクトに設定した行間はSpaceLeadingから判別する。テキスト配置・行間ともにインスペクタから確認・編集をおこなう

unitsが1なので、このテキストオブジェクトの行間は32pxということがわかる

次回はフィールドオブジェクトに関連する属性・プロパティ詳細について取りあげていこう。