2015年も折り返し地点になったところで、この年後半(7月~12月)にどんな宇宙ネタ・ニュースがまっているのか、シロウトでも楽しめるものを中心にご紹介しましょー。ネタが多いので、サクサクいきますよん。

7月~8月

7月1日、金星と木星が、夕方の空に接近していて圧巻です。詳しくはこちらを。

7月4日~25日くらい、七夕の前後に全国で天文学者が一斉に一般講演会をします。無料&申し込みも不要のものもかなーりあります。最新のお話を科学者からジカに聞くならぜひー。

7月5日、神戸の国際会議場(ポートピア内)で、JAXA主催で宇宙開発と技術のシンポジウム(はやぶさ2 探検を支えるスゴ技の秘密 宇宙開発と技術の伝承 ~技の伝承でチャンスをつかむ~)があります。事前申し込み不要。無料です。

7月14日、ついに人類が冥王星に宇宙船ニューホライズンズ号を到達させます。太陽系の果ての未踏の6天体(冥王星+5衛星)に接近、通り抜けざまに探査(フライ・バイ探査)を行うわけです。接近中の現在も、すでに画像データを送ってきてまして、衛星ケルベロスだけ黒いことがわかり、なんでこんなのが一個だけ紛れ込んでいるのか分からず、科学者が頭を抱えています。宇宙船の現在位置や最新ニュースは、NASAのWebサイトをドゾツイッターでもつぶやいてますね。冥王星の基本情報は、チョイと前の拙稿をお読みください。

7月24・25日、JAXA相模原キャンパス(神奈川県相模原市)の特別公開があります。例年数万人が訪れるという人気行事でございます。はやぶさ2の次のプロジェクトの様子やら、ロケットやら宇宙マニアには堪えられないですねー。

JAXA相模原キャンパス特別公開のポスター (C)JAXA

8月13日、14日、ペルセウス座流星群極大 月あかりがなく好条件。

流れ星がまとまって見える流星群。その中でも最大規模がペルセウス座流星群でございます。明け方がベストですが、夜8時でも数は少ないが、長く引く流星が見られる。精密な予報では、13日の昼ぐらいがピークだそうですので、数だけいえば、13日の朝と14日の朝がねらい目です。流れ星の見方については、以前、話題にしてありますのでそちらをごらんくださいませ。

8月13日、チェリモフ・ゲラシメンコ彗星が太陽に最接近。とりついている探査機は何を見るか?

彗星は、太陽を巡る数km程度までの氷の固まりでして、太陽に接近すると活発に蒸発。まわりに蒸発したガスをとりまいて、巨大(場合によっては数百万km)に見えるのですな。だから、太陽に接近する時期ってのが大切なのでございます。彗星そのものは、毎年数百個が太陽に接近しているのがわかっているので珍しくないのですが、この彗星には、ヨーロッパの探査機ロゼッタが張り付いています。すごーく詳しく彗星の蒸発のドラマがとらえられると期待されています。さて、どうなりますかー。

8月16日、国際宇宙ステーションへの補給機「こうのとり」打ち上げ。

日本最大のロケットのHIIBでの打ち上げは22時ごろとのことです。中継などの情報は、JAXAの特設サイトを参照してください

8月22日、国立天文台 野辺山宇宙電波観測所(長野県 特別公開)。

45mの巨大アンテナのほか、多数のアンテナで宇宙を見つめる野辺山の宇宙観測所。いつも見られるのですが、特別公開の時は職員総出で、いろいろな解説をしてくれますよ。楽しいと評判です。

9~10月

9月4日、水星の東方最大離隔

水星が、太陽の東がわにくるのがこれでございます。ややこしいんですが、夕方、太陽が西にあると、そこから東なので、取り残される形。つまり日が沈んだあとに見えるのが、これなんですねー。取り残され方が最大になるのが、この日、つまり、夕方に見やすいってことです。わから…ないかなー。いつも説明して失敗しております。はい。結論、夕方に見やすい。これだけ覚えておいてください。

9月27日、中秋の名月。

9月28日、最大の満月35.7万km。

中秋の名月と満月は、だいたい同じなんですが、日付だと1日くらいずれることしばしばでございます。今年の中秋の名月は、特別でかいですよー。だいたい普段より10%くらいでございますが。

10月10~11日、NASA・JPL(カリフォルニア・パサデナ) 特別公開(OPEN HOUSE)

最近では宇宙生命探査でも有名なこの施設の公開です。わざわざこのためにという方はいないと思いますが、米国に行くのでしたら、ついでにいかがですか? パサデナには結構日本人の研究者もいますので捕まえて根堀葉堀も。ちなみに、パサデナってロサンゼルスの隣です。電車とかないので、バスかレンタカー移動ですなー。ロス空港からだとホテルバスで20ドルとリーズナブル。ちなみに、クレヨンしんちゃんな春日部市の姉妹都市なんだそうで、どうでもいい情報でした。

11月~12月

11月26日、アルデバランの食 出現が全国で見られる。福岡18時ちょうど、東京18時1分、仙台18時4分、札幌18時10分。

アルデバランというのは、冬の星座オリオン座の近所にある明るい星でございます。都会でもちゃんと見えますが、この星が月に隠されるのでございます。マニアックというほどではなく、しかし、日食ほどわかりやすくもないという、天文の一歩目にはちょうどいい、微妙イベントでございます。双眼鏡で観察できますよー。月からちこっと星がでてくるのがカワイイです。

12月3日、はやぶさ2地球スイングバイ。

昨年の12月に打ち上げられた、小惑星探査機はやぶさ2。12月3日に、いったん地球に接近します。これは、地球の引力をつかって、スピードアップ&進路変更をするためなんですねー。旅だった子供が、いったん家の近くにきて、勇気をもらってさらに遠くへってイメージでございます。

地球スイングバイをするはやぶさ2」の想像図 (C)池下章裕氏/JAXA

12月14~15日、ふたご座流星群極大。

夏のペルセウス座流星群とならんで、1時間に数十個の流れ星が観察できます。明るい月が見えないなど、条件がよいです。また、時期が近づいたらご紹介しましょう。

12月29日、水星の東方最大離隔。

はい、また東方最大離隔。結論、夕方に見やすい。でしたねー。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。