先日、「実践ビジネス英語リスナーの集い」というイベントに参加した。これは"杉田敏先生を囲む夕べ"というサブタイトルの通り、この番組のファンが全国から参加するという貴重なイベントだ。私も毎年参加しており、今年もビジネス英語をがんばろうという想いを新たにして帰ってきた。

今回はゲストとして、本番組のテキストに掲載されている英作文のコーナー「The Writers' Workshop」の講師である佐藤昭弘さんが参加されていた。佐藤さんは英語のライティングの上達法として、いい文章を学ぶために読書(もちろん英語の)をするということと、いい英文を写経のように書くことの重要性などを話されていた。

この「The Writers' Workshop」は雑誌などの日本語を英語で表現する投稿コーナーである。かなりくだけた表現が多い雑誌が課題文となっているので難易度はかなり高い。まさに必要以上のビジネス英語。私も過去に何度か投稿したことがあり、一度だけ佳作を取ったことがあるのが自慢だ。

その際、私がどのように英作文をしたかというと、英辞郎、E-DICを中心とする電子辞書を使って、ひたすら日本語を英語に直すということをおこなった。これで佳作が取れるのだから、英辞郎、E-DICの力は偉大だ。

しかし、英作文というのは実は本当に難しい。文法上は正しくても、そういう言い方は英語ではしないということがよくあるからだ。その感覚は大人になってからの英語学習者にはわからない。ネイティブに聞かないとわからないのだ。だからこそLang-8やオンライン英会話を使ってネイティブに聞いてみることが有効なのだ。

また、辞書というものは、どこまで信用してよいのかわからないところがある。辞書にはそう書いてあるが、実際には使われていない表現、などというものもあるとも聞く。さらに、語と語のつながりが正しい組み合わせかどうかになると、普通の辞書ではお手上げ状態だ。調べようがない。

その点、英辞郎、E-DICは例文が多数収録されているので、語と語のつながりも比較的安心して使うことができる。

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実はこれらを革新的に発展させた英文ライティング方法がある。そこで今回紹介したいのが『Google 英文ライティング: 英語がどんどん書けるようになる本』(遠田和子 著) という本である。

この本、普段英語を書く人はマストバイだ。Google検索により、多くの(Googleレベル)ネイティブが書いた英文を対象にして自分の書いた英文が正しいかをセルフチェックできるのだ。

使う技術はフレーズ検索とワイルドカード検索のみ。Googleはほかにも詳細な検索が可能だが、この2つを駆使することで、あなたの英文は辞書で調べる以上の正しさを得ることができる。

たとえば、日本人に難しい前置詞の選択の問題。「机の下に隠れる」を英語にするとき、belowとunderのどちらが正しいかわからないとしよう。そのときはフレーズ検索を使って、"hide below the desk"とダブルクーテーションマークで囲んで検索する。すると検索結果のヒット数が何件と出る。同様に、"hide under the desk"で検索してヒット数を比べると、underのほうが圧倒的にヒット数が多いことがわかる。このようにGoogle検索により、そのフレーズが実際にどれくらい使われているかその数を使って、正しさを判断することができるのだ。

適切な動詞を探す方法も紹介されている。それにはワイルドカード(*)を使う。「写真をDVDにする」を英語にする場合、"to * photos to DVD"で検索する。*(アスタリスク)は何語かの単語がここに入るという意味である。動詞なのでtoを付けて、to不定詞を探すのがポイント。結果としてcopy、burn、make、backupなどの動詞が見つかる。これらから適切だと思うものを選べばよい。

このように、Googleを使って自分の英文をセルフチェックすることにより、自信をもって英文を書くことができるようになるのだ。

元の日本語がおかしいため、どうしても英語になりそうにない場合がある。その時は無理に英語にしようとせずに、いったん日本語で言い換えてみることで、英語にできるようになることが多い。一語一語翻訳する必要はなく、内容が伝わればよい場合が多いからだ。

著者の遠田さんは翻訳家であり、仕事中は常にGoogle検索ができるようにして、上記のような確認をしているという。プロにも使われている手法なので、我々も自身を持って使おうではないか。

本書で感銘を受けたのは実はGoogleの部分ではなく、最後の章の明快な英語を書く方法だった。ここでは、我々日本人が目指すべき英語はノンネイティブにも理解しやすい明確な英語であるとしている。明確な英語は、

  1. 主語と動詞が明確で
  2. 最小の語数で最大の情報を伝えている

という2つの基準を持つという。

上記の基準に従う明確な英文になっているかのセルフチェック方法が3つあり、これが秀逸なのだ。目から鱗が落ちる感覚を久しぶりに味わった。内容は本書で確認してほしい。このチェック方法により普段の自分の書く英文も良いものになるだろうことを確信している。

『Google 英文ライティング』- 自信を持ってお勧めしたい一冊だ。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる