耳にディテールを加え頭部を完成させる

前回の造形から10日ほど空けて作業を再開しました。「放って置く」効果で、フィギュアの口元がおかしく見えたので修正します。右の顎のラインの気になる所は、首を成形する時に直します。次に耳を作ります。今回はキャラ寄りの造形なので、耳にもそれなりの情報量を盛り込みます。もともと耳のディテールは、写実造形でもオーバーディテール気味に行います。

サイズ的にもやり過ぎない程度に、眉毛のディテールをつけます

次に、エナメルシンナーを含ませた筆で、表面を撫でていきます。スカルピーを焼く前の仕上げ作業です。

『CATMAN』の造形の時と同じ作業です

次に以前にこの連載で造形した『CATMAN』同様に、原型を焼きます。焼きあがった頭部に耐水ペーパーをあてて、焼く前に着いた筆跡等を綺麗にします。

これで頭部の原型は完成

ボディの造形

頭部に続いて、ボディの造形です。以前何かに使ったキャストブロックにエポキシパテを足して、胴体の芯にします。このように、過去の制作物を原型として再利用するのは、よくあることです。この位の大きさのキャストのブロックは、失敗しても捨てずに取っておくと、今回のように再利用出来ます。この胴体の芯に、頭を差してバランスを見ています。この時、髪の毛がついていると想像する事が肝心です。慣れないうちは、髪のボリュームが分かるように頭にスカルピーで仮盛りしておいても、いいでしょう。

こうしてバランスを検討していく

安藤賢司
バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高めた。『S.I.C』シリーズ最新作の原型を常に製作中。某ゲームのキャラクターデザインもやってます

次回、最高のボディが作られていく