新しくなったナビゲーションキーや生体認証の使い勝手とあわせて、実は購入前に少し心配していたのが、18.5:9というこれまでにない比率の画面は、本当に使いやすいのかということだった。事前の情報から、この画面比率が映画館で採用されている2.35:1のシネスコープサイズに近く、映画を見るのに最適であることはわかっていたが、それ以外の日常的な操作やアプリに対してどう影響するのかよくわからなかったからだ。しかし結論からいうと、そんな心配はまったく無用だった。

まず事前の情報のとおり、映画を見るにあたって18.5:9という画角の効果は絶大だった。Galaxy Sシリーズはサムスン製の高精細かつハイコントラストな有機ELディスプレイを搭載。その画質には定評があるが、Galaxy S8+ではさらにWQHD+(2,960×1,440ドット)と高解像度で、かつ映像をより色鮮やかに表現できる「HDR」にも対応している。

大画面かつ画面ほぼ全部がディスプレイなので、それだけでも迫力は段違いなのだが、加えて色彩の豊かさや深みについても文句なし。映画の予告編のような短い映像でも、あっという間に作品の世界に引き込まれてしまうインパクトがある。おかげで筆者がスマホで動画を見る機会も、ここ1ヵ月半の間にぐっと増えた。

ディスプレイの解像度はバッテリーに配慮してか、初期値ではFHD+(2,220×1,080ドット)に設定されている。より高解像度で映像を楽しみたい場合や、オプションのVRヘッドセット「Gear VR」を使用するときはWQHD+(2,960×1,440ドット)に切り替えよう

映像だけでなくサウンドにも妥協がなく、付属のAKG製ハイレゾ対応ヘッドフォンがなかなか良い音を鳴らす。映像も音もいいGalaxy S8+は、映画を楽しむ端末としてかなり優秀だ

縦スクロールのコンテンツが見やすい

さらに使い込んでいくうち、この縦長のディスプレイはブラウザやSNSなど縦にスクロールするコンテンツ、つまり普段よく利用するほとんどのコンテンツと相性が良く、1度に多くの情報を表示できることがわかってきた。

筆者がよく使うものでは、特にブラウザとLINEのトーク画面でその効果が大きく感じられる。この画面の広さに慣れてしまったらほかの機種に乗り換えたとき、画面が狭くてストレスを感じることになるかもしれないと思うほどだ。

なおFacebookは、どうやら1画面あたりの情報量が機種ごとのフォントサイズに依存するようで、初期値のままだと一画面あたりの情報量は他機種と変わらないかむしろ少ないが、その分だけ文字が大きく見やすくなっている。その意味では縦長画面は、小さな文字が見づらくなりつつある世代にもおすすめと言える。

画面比率が18.5:9のGalaxy S8+(左)と、16:9のiPhone 7 Plus(右)では表示される範囲がまったく違う。マイナビニュースのインデックスでいえば、2記事分ほど多く表示することが可能だ

なおディスプレイにあわせて画面を縦長の全画面表示にするかどうかはかは、設定の「ディスプレイ」からアプリごとに切替が可能。全画面表示するとレイアウトが崩れるようなアプリは。ここでオフにしておけば縦長表示にならない