数多くのスマートフォンメーカーが乱立する中国。その中でもMeitu(美図)はセルフィーに特化したスマートフォンメーカーとして有名だ。2017年5月9日には最新モデル「M8」の発表会が同社の本社、中国・アモイで開催された。M8はさらに進化したセルフィー機能が大きなセールスポイントだが、それだけではなく日本が誇る女子キャラクター「セーラームーン」バージョンのモデルも発表し、大きな話題となっている。

中国で開催されたMeitu M8発表会

サプライズで登場したM8のセーラームーンモデル

Meituのスマートフォンは中華圏以外ではまだ無名だが、同社が手掛けるiPhoneやAndroid向けのアプリは有名だ。美顔効果のある「BeautyPlus」や、好きなメイク加工ができる「MakeupPlus」は日本でも利用者が多い。そんな女性にフォーカスしたアプリを送り出している同社のスマートフォンは、それらのアプリ機能がカメラにデフォルトで搭載されている。M8ももちろん強力なセルフィー機能を持っているのだ。

同社が満を持して投入したと言えるのが、今回の新製品であるM8のセーラームーンモデルである。ピンクのボディーにゴールドの縁取りをしたきらびやかな仕上げで、背面にはセーラームーンのシルエットが印刷されている。ラメ入りの透明カバーにはリボンも描かれているなど、凝った作りをしている。発表会には日本からITジャーナリストであるAyano*氏が取材に訪れていた。セーラームーン世代でもある同氏から、この製品の魅力を動画で説明してもらおう。

M8セーラームーンモデルをITジャーナリストAyano*氏が解説

このセーラームーンモデルは付属する自撮り棒に大きな特徴がある。セーラームーンが戦う時に使う「スパイラルハートムーンロッド」のデザインをそのまま自撮り棒にしているのである。セーラームーンモデルのM8をこの自撮り棒に装着すれば、あたかも自分がセーラームーンになったような気分になれる。金色仕上げのBluetoothリモコンも付属するので、ハンズフリーでシャッターを切ることも可能だ。

セーラームーンモデルは1万台のみの限定発売となる

セーラームーンの世界をスマートフォンに再現

「この製品を持つとセーラームーンのように強く美しく自信がもてるような気になれそうだ」と、Ayano*氏は感想を語ってくれた。一部の記者向けに実機が披露されたが、細かな写真撮影は男性よりも女性記者たちの方が熱心に行っていたほどである。

セーラームーン世代であるジャーナリストのAyano*氏も同モデルを絶賛

パッケージを開けると付属品が白い箱に収められている。それぞれにはアクセサリのイラストが描かれているほか、自撮り棒には「スパイラルハートムーンロッド・セルフィースティック」、ケースには「コズミックハートコンパクト・ケース」と記載がされている。オリジナルの道具の名前をしっかり書いているあたり、この製品に書けるMeituの意気込みが伝わってくる。

他にもスマートフォンを綺麗に噴き上げるクロスはピンク色で、セーラームーンの相棒である黒猫ルナのシルエットが型押しされているほか、オフィシャル製品であることを証明するカード類なども付属している。

パッケージ内のアクセサリ。それぞれに名前が記載されている

専用のクロスやカードも付属

セーラームーンM8モデルは発表会会場に1台しか展示されておらず、透明カバーがかけられた状態だったものの、来場客の女性の多くが製品を見ようと集まっていた。なお販売は6月からで、限定1万台のみとなる。中国以外での発売は未定だ。なおもちろんのことだが、ライセンスを受けたセーラームーンの正規の製品である。

発表会でMeituはこのM8のターゲットユーザーが「90後」と呼ばれる、1990年代に生まれた20台後半から30代前半と説明された。これは中国でもセーラームーンを見て育った世代と重なる。女性をターゲットにしたアプリやスマートフォンを開発しているMeituが、今回のM8にセーラームーンを採用したのは、単なるキャラクターもののスマートフォンを作った以上の意味があるのかもしれない。

会場では1台だけが展示されていたセーラームーンモデル

このパッケージを見るだけでもわくわくする女性が多いだろう

ちなみにMeituのスマートフォンのフロントカメラの美顔機能は、眉毛やまつ毛の1本1本をつぶさず、肌の質感もそのままに肌の色だけを補正するという、他のメーカーには真似できないほど高い性能を有している。M8のフロントカメラを使えば、自分が理想とする顔の写真を撮影することが可能になる、と利用者の多くが語っているほどなのだ。

M8のカメラには高性能な美顔機能が搭載されている

発表会にはSNSのインフルエンサーがM8で撮影したセルフィーを披露

M8のスペックは5.2インチフルHDディスプレイに、CPUはMediatekのMT6797Mを搭載。カメラはリア2,100万画素、フロント1,200万画素。価格は標準モデルが2,599人民元、約4万3,000円。セーラームーンモデルは2,999元、約5万円となる。ミッドレンジクラスの製品ではあるものの、強力なセルフィー機能に加え、限定となるセーラームーンモデルの登場で、中国ですでに大きな話題を集めている。製品の販売が始まれば、その噂は世界中に広がるかもしれない。

Meituが日本にいきなりスマートフォンを投入するのは難しいだろうが、セーラームーンモデルならば人気製品となるかもしれない。日本が誇るキャラクターでもあり、女性を中心にファンも多い。ぜひ日本への投入も検討してほしいものだ。

M8の標準モデル

標準モデルは4色展開となる