茨城県久慈郡の某コンビニで、破壊力抜群のラーメンが食べられると話題だ。通称「醤家タンク」(1日3食限定、3,000円)。チャーシューを戦車の車体、ナルトをキャタピラに見立てた仕様で、なんとチャーシューの重量は700gにも及ぶのだとか。

「醤家タンク」(3,000円)

旧上岡小学校→小西屋→ラーメンの流れ

噂の一杯を供している店は、茨城県久慈郡大子町にあるラーメン店「屋台ラーメン醤家」。JR水郡線「下野宮駅」から徒歩10分のところにあり、なんとコンビニの一角で営業している。どういうことかというと、店主の鈴木美代子さんが、ご主人が経営するコンビニ「KONISHIYA(小西屋)」の一角を間借りしているというのだが、そもそもこのコンビニ自体が一風変わっている。

コンビニの一角にラーメン屋が!

いわゆる一般的コンビニで販売している食品や生活用品に加え、人気アニメ『ガールズ&パンツァー』グッズやミリタリー用品まで取りそろえているのだ。

「KONISHIYA(小西屋)」自体が個性あるコンビニ

一体どんな人が利用しているコンビニなのかと不思議に思い店主の鈴木秀男さんに尋ねてみると、「旧上岡小学校(ガルパン主人公の転校先のモデルとなった学校)などを見学した後、小西屋見学を訪れて醤屋でラーメンを食べる人が多いようです。ガルパンについて語り始めると時間を忘れてあっという間に2、3時間過ぎているということはしょっちゅうですね」との回答。

店内にもあちこちにガルパンのキャラクターが!

店内にはバラエティ豊かなミリタリーグッズがそろう

客それぞれが自由に写真を撮ったり、店内のガルパンギャラリーを眺めたり、外の椅子に座ってまったりしたりしているというが、なんともほのぼのとした光景ではないか。そしてさらに心和むことに、地元農家の採れたて野菜や、地元食材を使ったお惣菜も販売しているとのこと。夕食の買い出しついでにラーメンをすすり、ベンチでひと息ついて帰る近所の人も多いのではと想像させられる。

極鮮(=極新鮮)野菜や手作りのお惣菜など、コンビニとは思えないラインナップも!

このボリュームに"撃破"失敗の声も

とは言え、もちろん注文するのはベーシックな醤家ラーメン(チャーシュー3枚のせ=650円、5枚のせ=800円、10枚のせ=1,150円)をはじめとする馴染みのメニューだろう。なんせくだんの「醤家タンク」は、夕食前に食すにはあまりにリスキーな大きさなのだ。

砲身がちくわなのもキュート

自慢のチャーシューは、とうもろこしのみを与えた豚肉を使用して10時間煮込んだもの。そのチャーシューを戦車本体に見立て、ちくわの砲筒、ナルト巻の車輪をセットし、ゆで上がった麺の上にどっかりと据えさせているのだ。

チャーシューは、しっかりとした旨みと、トロトロとして甘みがある脂が特徴的だというが、なによりインパクト大なのはやっぱりその見た目。注文した客はみんなこぞって「本当に戦車の形だ! 」「マウスだ!(第二次世界大戦中にドイツで試作された超巨大戦車)」「撃破(完食)できると思って注文したのに……! 」と驚きの声をこぼすのだとか。

また、麺は新潟の製麺所から毎日配達される特製麺を使用。おいしい水とおいしい小麦を使って製麺した弱ウェーブの中細麺は、豊かな小麦の香りともちもちした食感を楽しませてくれる。

店内の戦車たちがヒントに

それにしてもなぜ、戦車ラーメンなんてユニークな一品を思いついたのだろう? この疑問に対して店主の鈴木さんは、「県内の車情報誌『オートガイド』さんから取材したいと連絡をいただいた際、インパクトある面白いものを載せたいと思い、一晩かけて試行錯誤して考案したんです」と明かす。

どの角度から見ても圧巻!

試行錯誤とは言え、一晩である。なぜそんな短期間で、こんなにも目を引く話題作を思いついたかというと、「小西屋店主がミリオタですし、店内にも戦車のプラモデルを展示しているので、それがヒントとなったんです。形になったときにはとても興奮したのを覚えています」と鈴木さん。

結果的に客に大うけしているだけでなく、メディアからも取材依頼が殺到。この重量でありながら、週末には3食完売となることも多いんだとか。

ガルパンファン、ラーメン好き、ミリオタなど、何かひとつでも当てはまるという人は、週末のドライブがてらにでもぜひ訪れてみては? ちなみに、チャーシューは食べきれなった時は持ち帰りOKとのことなので、食が細くて不安だという人もご安心を!

※記事中の情報・価格は2016年11月取材時のもの。価格は税込