2016年11月16日に自身初のメジャー1stシングル「夢のキセキ」をリリースした声優の渡部優衣。6月8日発売の1stアルバム『FUN FAN VOX』、7月23日開催の1stライブ「FUN FAN STORY」を経て、アーティストとしてますます勢いを増し、12月3日にはワンマンライブ「FUN FAN BIRTHDAY 2016」も控えている。

渡部優衣(わたなべゆい)。1988年12月4日生まれ。大阪府出身。ダンデライオン所属。主な出演は『アイドルマスター ミリオンライブ!』横山奈緒役、『プリパラ』白玉みかん役、『てーきゅう』押本ユリ役、『リルリルフェアリル』ゆらら役ほかなど
撮影:西田航(WATAROCK)

今回は、11月16日発売の1stシングル「夢のキセキ」を中心に、彼女の最近の活動について振り返ってもらった。

「Brightest story」から「夢のキセキ」へ

――まずはメジャー1stシングル発売おめでとうございます! ありがとうございます~! 今年6月に1stアルバムを発売してから、リリースイベント、そして1stライブと様々な経験をさせていただきました。前回アルバムを発売してからまだ5カ月しか経っていないのに、またリリースできるのは、応援してくださっているみなさんのおかげです。期待に応えられるようなものになっていればいいな。

――かなり手応えがありますね。

あります! ライブなどで直接応援される機会が増えたので、ファンのみなさんの顔を思い浮かべながらレコーディングをしていました。これからもっと思い浮かべる人数が増えていけばいいなと思っています。

――それではさっそく楽曲についてお聞きしたいと思います。「夢のキセキ」は、『FUN FAN VOX』の表題曲「Brightest story」から一歩踏み出した楽曲とおっしゃっていましたね。

どちらもハラユカ。さんに詞をお願いしていて、「Brightest story」は、過去を振り返り一歩進むようなストーリーで、「夢のキセキ」は未来を描いている楽曲になっています。「Brightest story」から「夢のキセキ」に続いていくストーリーですね。直接言葉にして伝えるのは恥ずかしいんですけど、歌にすると届けられるのは不思議ですよね。楽曲と一緒にみなさんと「夢のキセキ」を見ていきたいなと思いました。

――今回の楽曲制作では、だいぶ渡部さんの意見が反映されているんですね。

今回は選曲会から参加させていただきました!『FUN FAN VOX』では、いただいた曲をレコーディングしていくという流れでしたけど、今回は40曲近くある中から一つずつ聴いていきました。数曲まで絞ったんですけど、優柔不断すぎて最終的に「どれも素敵な曲すぎて私には選べません!」となってしまい、スタッフさんに選んでいただきました(笑)。

――「夢のキセキ」のファーストインプレッションはいかがでした?

作曲はElements Gardenの藤永龍太郎さんにお願いしているんですけど、Elements Gardenさんらしく、メロディの流れが格好いい曲ですね。

――歌詞も"夢"、"未来"、"希望"と、これから1stシングルを発売して前に進んでいく渡部さんを表しているかのような言葉があふれていますよね。渡部さんのお気に入りのフレーズは?

最後の"夢の軌跡を一緒に見よう"という歌詞ですね。私自信もこれからどうなっていくかはわからないんですけど、みなさんと一緒に夢を見ていけたらいいなと思います。あとは……"夢のままで終わらせないから 見ていて"です。がんばるのでついてきて! と思いながら歌いました。照れくさいですね(笑)。

一番成長したのはMV

――レコーディング自体はスムーズでした?

「夢のキセキ」は難しくて、低音から高音にいったと思ったらまた低音にいく、という楽曲なんです。歌っていても、上がりきらなかったり落ちきらなかったりしてしまって……。なので、レコーディングの前日に「ここはこういう感情で、こういう歌い方で」と打ち合わせをさせていただきました。そして家に持ち帰り、練習して次の日に挑めました。レコーディング自体はスッといけましたね。

――テクニック的な意味でも挑戦といった楽曲。今回のMVは歌唱パートとドラマパートにわかれているのが特徴ですね。

普段はお芝居をしているときに表情を映されることはないので、すっごく照れくさかったですね。いつもアフレコでは顔をぐちゃぐちゃにして全力でお芝居をしているんですけど、今回はそうもいかず(笑)。初々しさとか、照れている感じが出ていて、それはそれで1stシングルらしいかなと思いました。

――ドアを開けるシーンから始まって、階段を上っていって……と、かなり演技のシーンも長かったですね。

慣れていないので、NGを連発してしまいました。そのNGシーンは初回生産限定盤の「スペシャル・インタビュー」に入っているんです。使わないでって言ったのに! でも、使われてしまったので、観て……いただければ……と……。あ~、でも観てほしくない(笑)。あのNGシーンを観てしまうと、せっかく格好良く撮れたMVが台無しになってしまう! ほんとにへったくそなんです(笑)。

――ははは。印象的だったNGシーンとかは。

階段を上る時、段差の数を勘違いして足をぶつけちゃいました。

――普段、階段を上る時は足元を見ますけど、演技中はそうもいかないですもんね。

「あ、ここにも階段あったんだ!」みたいにぶつけてしまって、めちゃくちゃ恥ずかしかったです。それを見ながら悪い大人たちがみんな笑っているんですよ。

――逆に笑われるから救われたのかも。

たしかに……滑っているみたいになってしまう……。

――前回「Brightest story」ではMV撮影に大変苦労していましたけど、今回はだいぶ慣れた感じがありますね。

そこが一番成長したところだと思います! 前回は、撮影が始まって音楽が流れてもずっと仁王立ちのままで終わってしまったんですけど、今回は一発目から動くことができました。特に注目して欲しいところは、歌っている大人の私と、それを見ている少女の私ですね。一人の少女がアトリエに来て、絵を見ていたら、歌っている大人の女性の姿が映る。そこで自分の中に何かが芽生えて……というストーリーになっています。

――最後の「ヨシッ」という表情が大好きなんですよ。

ありがとうございます(笑)。一つ皮が剥け、未来に進んでいくことを表現しました。


「FUN FUN LOVE」な愛犬のポチくん

――2曲目は「FUN FUN LOVE」。こちらも選曲は渡部さんが?

はい。メロディの流れも、歌の組み方も大好きな一曲で、表題曲候補でもあったくらいです。「FUN FUN LOVE」は事前に打ち合わせなどがなく、いきなりレコーディングだったからか難しかったですね。テンポが速くて、言葉が詰まっているから、リズムに言葉を一個一個ハメていくのが大変でした。

――アルバム『FUN FAN VOX』や1stライブ「FUN FAN STORY」では「FUN FAN」ですけど、今回は「FUN FUN」、全力で楽しむといった感じでしょうか。歌詞に"朝も夜も ずっと胸を離れないよ"とありますが、渡部さんにとっての「FUN FUN LOVE」とは?

愛犬のポチくんですね! 仕事中によく「いまいい子でお留守番しているかな」とか考えちゃうくらいの「FUN FUN LOVE」ですね! 大好きなんです。もうかわいすぎます! 大事な息子です! ずーっとぎゅーっとしていたいです!

――ママとしてすごくかわいがっていますもんね。寝る時も一緒ですか?

それが、寝る時は別々なんですよ。一緒に寝てしまうと、一人の時に寂しがってお留守番ができなくなっちゃう。あと、何か非常事態が起きて離れて過ごさないといけない時にも順応できなくなってしまうらしいんです。本当は一緒に寝たいんですけど……。

――心を鬼にしてしつけをしているんですね。

はい……、でもお昼寝とかは一緒にしていますよ。私がソファーで寝ながらテレビを観ていると、毎回顔をペチペチッて起こされます。遊んでよ―って(笑)。顔をペチペチすると絶対に起きるから。

――ははは。普段はどうやって遊んでいるんですか?

お家で追いかけっこしたり、おもちゃを引っ張り合いっこしたりしていますね。仕事が終わって帰ってきた時にジャンプして迎えてくれるんですけど、疲れが吹っ飛びますね!

――それは至福の時ですね。先日、家族旅行で石垣島にも行っていましたよね。

はい! 親子3代で行きました。シュノーケリングをしたり、琉球グラスを作ったり楽しかったです。海が大好きなので、ちょくちょく行っているんですよ。なので、ダイビングの免許を取ろうかなと思っています。ライセンスがなくてもダイビングは出来るんですけど、これだけ沖縄に行くなら持っていてもいいかなって。