ワーママにとって、2人目のうみ時はいつ?

働くママにとって、2人目の出産時期は、悩みどころかもしれない。キャリアや経済面での負担、それに2人育児の大変さが気になるという人も多いだろう。

そこで今回は、理想の数だけ子どもをうめる社会を実現するため、各種調査や情報発信などを行っている一般財団法人1more Baby応援団の秋山開専務理事に、働くママにとって、ベストな2人目のうみ時はいつなのか聞いてみた。

2人目のうみ時、最近のワーママのトレンドは?

1more Baby応援団では、子育て世代の3,000人弱を対象に「夫婦の出産意識調査2016」を行っている。この調査から、フルタイム勤務の女性の7割が「管理職への昇進や出世を意識せず、同じ場所で長く働き続けたい」と考えていることが分かったという。

秋山氏は「業種や個々の転職時期にもよりますが」と前置きしたうえで、「最近は、なるべく仕事に集中する期間を長く持ちたいと考える女性が増えてきた」と話す。

例えば、第1子の育休取得後、3学年差で第2子をうんだ場合、産休・育休・時短勤務などを6年近く繰り返してしまうことになる。キャリアを考えれば、1~2学年差で第2子をうみ、産休や育休期間を1~2年ほど重複させた方が、より仕事に長く集中できてよいという考えだ。

子どもの年齢が近ければ、それだけ育児の負担も大きくなる。そのため、なるべく体力のある若いうちに、出産を考えるという人も、同時に増えているという。

経済的な観点においても、1~2学年差であれば、2人の子どもの年齢が近いので、買い足す物が少しで済み、メリットが大きいと言えるだろう。3学年差は中学、高校、大学と進学時期が重なるため、昔から避けられることが多い。また、4~5学年離れると、ベビー用品などが様変わりしてしまい、第1子のお下がりを活用しにくい場合もあるという。

キャリアのために、2人目出産を考える時代は終わる!?

一方で、育休期間などをキャリアダウンとして捉えず、キャリアアップの機会と捉え、2人目の出産を迎える人も増えているそうだ。最近では、産休期間の資格取得を補助する企業も出てきている。

「ネイルサロンやフランチャイズの塾などの独立を目指す期間にあてる人、妊娠・出産の経験を商品開発やマーケティング、人事制度の改革に生かす人など、さまざまに活躍しています」と秋山氏。キャリアのために、2人目出産の時期を考えるという風潮は、今後変わっていくのかもしれない。

体力、妊娠力、親の介護の問題も考慮に

ただし秋山氏は「出産を考える際に、やはり年齢については大前提で考えておくべきでしょう」と語った。仕事と家事、育児を継続して行うには体力が必要であり、夫婦の年齢が上がるほど、妊娠の確率が減るのも事実だからだ。さらに、親の介護の問題もある。

「働きながら介護をしている方の20%くらいは、40代と言われています。育児と介護の時期が重なることは、経済的にも精神的にも負担が大きいです」。第1子出生時の母親の平均年齢が年々上がっている現代、2人目ともなると、さらなるスピード感を持って考えなければならないようだ。

「もうひとり、子どもが欲しい」という全国のパパママを応援する同財団では、子育て世代の夫婦が参加する交流会を年に何回か開催している。2人目、3人目について活発に意見を交わし、悩みや工夫していることをシェアする情報交換の場だ。こういった機会を活用し、普段なかなか具体的に話せない2人目について夫婦で考え方を共有したり、さまざまな視点からの意見を聞いたりすることで、新たな発見や答えにつながるヒントが見つかるかもしれない。

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秋山開 プロフィール

企業のCSR活動として少子化問題をとらえ、理想の数だけ子どもをうめる社会を実現するために2013年に発足した一般財団法人1more Baby応援団の専務理事。事業の企画・運営の他、男性の育児参画や女性活躍推進、子育て支援等に関する情報や調査を発信、シンポジウム等を開催している。2児の父。共著に『なぜ、あの家族は2人目の壁を乗り越えられたのか? ママ・パパ一〇四五人に聞いた本当のコト』(プレジデント社)、『こども大国ニッポンのつくりかた』(木楽舎)がある。