11月1日発売されたワコムの「Bamboo Slate」シリーズは、手書きの文字をデジタル化するスマートパッドの最新モデル。デジタルノート、スマートメモパッド、呼び方は様々だが、これまでも手書きの文字をデジタルデータに変換するアイテムは、いくつも登場してきた。
ワコムの製品は、ペンに電源が不要で、特殊なパターンが印刷された用紙ではなく普通の紙が使えることが特長。以前に、2015年発売の「Bamboo Spark」をレビューしたが、ペンそのものの使い勝手の良さや、クラウドでのデータ共有など、様々な利便性を感じることができた。
この「Bamboo Spark」にはカバーが付いており、手帳のような外観だが、以前から「このカバーをなくしてもっとシンプルにしちゃってもいいんじゃない?」とワコムの方に伝えていたところ、「今は言えないけど……ウフフ」的な反応をいただいていた。結果としてそれが、今回の「Bamboo Slate」シリーズだったというわけだ。
「Bamboo Slate」は、その名の通り、本体は1枚のSlate(スレート)=板状で、紙を挟んで使うバインダーのイメージに近い。サイズは、large(A4用紙対応)とsmall(A5用紙対応)の2種類。ラインナップとしては、さらに、A4用紙対応でカバーを備える「Bamboo Folio」と、先ほどの「Bamboo Spark」(A5用紙)も併売される。計4タイプから選べるわけだが、今回はカバーなしのA5タイプ「Bamboo Slate small」チョイス。これから数回に分けてレビューしていこう。
外観はシンプル&カジュアル
「Bamboo Slate small」本体の重量は、264g。付属のメモパッドを外して手に持つと、驚くほど軽く感じる。ペンとメモパッドを付けた状態では430g程度(紙を消費していくほど軽くなる)。普段、メモパッドやノートを持ち歩いている人であれば、わずかな重量アップで済むわけだ。
外観も非常にシンプル。機械っぽさを感じさせるのは、丸いボタンとmicroUSBの端子ぐらい。「Bamboo Spark」では、スライド式の電源ボタンがあったが、新製品では廃され、電源のオン・オフから、ページ送り、スマホなどとのペアリングや転送まで、ひとつのボタンで操作できるようになった。
表側はビニールレザーのような素材でエンボス加工されている。クルマのシートに似たような素材で汚れを拭き取りやすい。本体は防水ではないが、表面に少し水がかかったとしても、すぐに壊れるようなことはないだろう。
本体にはメモパッドを装着するためのスリットがある。サイズが合えば市販のメモパッドも使用可能だ(厚さは8mm以下)。面積としては、縫い目の内側に入っていれば問題なく、1枚の紙であっても使うことができる。
本体の裏側は、さらにカジュアルな布素材になっており、「BAMBOO」と刺繍で施されている。素材的には、汚れやすそうに感じるが、カジュアルに使って欲しいという作り手の思いが込められているような気もする。というわけで、必要以上に丁寧に扱うのではなく、紙のメモパッドやノートのようにカジュアルに使っていこうと思う。
次回は、専用アプリ「Wacom Inkspace アプリ」やスマホとのペアリング、データ転送、編集作業などの機能についてお送りします。 |
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