ASUS JAPANは28日に新製品発表会「Zenvolution ~進化し続けるASUSのZen~」を開催。フラグシップノートPC「ZenBook 3」とAndroidスマートフォン「ZenFone 3」シリーズの国内販売を発表した。

発表会は三味線奏者 吉田兄弟の熱演でスタート

「ZenBook 3」は、ASUSの最新フラグシップノートPC。2016年5月に「COMPUTEX TAIPEI 2016」にて製品を発表し、続く9月の「IFA 2016」でスペック概要を公開。事前にある程度の情報は出揃っており、後は国内販売の時期と価格が焦点になっていた。今回、10月下旬の発売、Core i5搭載モデルで税別139,800円、Core i7搭載モデルで税別184,800円という価格が明らかになった。

「ZenBook 3」。従来モデルでは13.3型での展開だったが12.5型にリニューアル

ASUSTeK Computer 会長のジョニー・シー氏

Core i5搭載モデルは8GBメモリと256GB SATA SSDで税別139,800円

Core i5搭載モデルは16GBメモリと512GB PCIe SSDで税別184,800円

「ZenBook 3」特長としてまず挙げられるのは、従来モデルからさらに薄く、そして軽くなった点だ。従来モデルでは5mm程度だった冷却ファンを3mmまで薄くしたほか、基板や内蔵カメラの見直しなどで、薄さ11.9mm、重量約910gの薄型軽量ボディを実現した。製品を紹介するASUSTeK Computer 会長のジョニー・シー氏は「Macbookよりも軽く、そしてMacbook Airよりもパワフルだ」とアピールする。

Zenシリーズらしい研ぎ澄まされたボディがさらに進化

MacbookやMacbook Airとの比較。COMPUTEXでの製品発表時から「ZenBook 3」はこの2製品との比較を中心に紹介されている

発表会ではZenBook 3の内部も公開されていた

薄型化した冷却ファン

横から見てもかなり薄いことが分かる

メイン基板もかなりコンパクト

バッテリーも薄型

ディスプレイのコントロール基板も見直し、薄型化と狭ベゼル化を実現

一方で、堅牢性にも注力。航空機などにも使われるアルミニウム合金やコーニングのGorilla Glass 4により、従来モデルから筐体やディスプレイの強度を向上させている。また、ヒンジについても20,000回の開閉試験をクリアしているという。

アルミニウム合金で従来モデルから強度が1.5倍に

ディスプレイはコーニングのGorilla Glass 4で保護

薄型モデルなのでヒンジも小型。20,000回の開閉試験で耐久性を確認しているという

12.5型フルHD(1,920×1.080ドット)ディスプレイは、NTSC 72%、sRGB 100%のパネルを採用。上11.5mm/下16mm/両サイド7.6mmの狭ベゼル設計となっている。ベゼルの狭さはキーボード側にもメリットがあり、ボディの横幅を最大限まで活用することで19.8mmのキーピッチを確保する。キーの配列は日本語配列で、ゴールドバックライトによるイルミネーション機能を備える。

NTSC 72%、sRGB 100%のパネルを採用

狭ベゼル設計により、画面サイズはフットプリント比で82%に

キーピッチは19.8mm、キーストロークは0.8mm

タッチパッドはガラス加工を施し、従来モデルと比較して2倍の滑らかさを実現するという。タッチパッドの右上に指紋認証センサを搭載。Windows Helloでのログインに対応する。

ガラス加工のタッチパッドを採用

タッチパッドの右上に指紋認証センサ搭載

「ZenBook 3」では、CPUに最新の第7世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Kabylake)やLPDDR4メモリを搭載。また上位のCore i7搭載モデルでは、PCIe 3.0 x4接続に対応した高速の512GB SSDを採用する。シー氏はここでもMacbookやMacbook Airとの性能比較を紹介し、「ZenBook 3」の優位性を強調する。

薄型筐体にハイスペックを搭載する

実際のところ、この性能差はCPUやプラットフォームの世代に起因するものが大きく、最新世代の製品と発売後しばらくたった製品との比較はあまり意味がない。しかし、最新技術をいち早く市場に提供するという点でASUSの強みがある

ハイパフォーマンスながら、バッテリー駆動時間は約8.7時間。さらに49分で約60%まで充電できる急速充電をサポートしている。このほか、オーディオ機能として第3世代の「Sonic Master」に加え、4基のHarman Kardon製スピーカーとアンプシステムを備える。

駆動時間は約8.7時間。急速充電に対応する

Harman Kardon製のオーディオシステムを採用する

11.9mmの際立った薄さ

天板にはZenシリーズでおなじみとなっている同心円状のスピン加工を施す

キーピッチをしっかりと確保したキーボード。国内モデルでは日本語配列のみとのこと

インタフェースがUSB 3.1 Type-Cだけなのでミニドックが標準で付属。また、スリーブケースも同梱されるという

いまのところ、本体カラーはロイヤルブルーのみとなっているが、ローズゴールドが参考展示されていた

同じく参考展示のグレー

「ZenFone 3」の国内販売も発表、さらなる新製品の投入も予告

また、発表会ではAndroidスマートフォン「ZenFone 3」シリーズの国内販売を発表された。5.2型「ZenFone 3」に加え、上位の「ZenFone 3 Deluxe」では5.5型と5.7型の2モデルを投入する。「ZenFone 3」は10月7日、「ZenFone 3 Deluxe」は10月下旬の発売を予定する。こちらの詳細は近藤謙太郎氏のレポートを参照してほしい。

【レポート】ASUS、"性能怪獣" ZenFone 3シリーズを発表 - 価格は約4万円から

5.2型「ZenFone 3」。前モデルのZenFone2から薄型化しており、かなり持ちやすくなった印象

「ZenFone 3 Deluxe」は5.5型と5.7型をそろえる。ディスプレイサイズのほか、搭載するプロセッサやメモリ、ストレージ容量が異なる

さらにシー氏は「Zenの進化(Zenvolution)は、まだまだ続く」として、「ZenPad 3」「ZenFone 3 Ultra」「ZenWatch 3」を2016年中に投入すると予告した。

日本国内では「ZenFone 3」と「ZenFone 3 Deluxe」のみの展開になると思いきや、「ZenFone 3 Ultra」の投入も

「ZenFone 3 Ultra」は6.8型のファブレット。国内向けに詳細な仕様をつめている最中だという

IFA 2016で発表された「ZenWatch 3」。ASUSのスマートウォッチとして始めて円形のディスプレイを採用する。1.39型のAMOLEDディスプレイはかなり高精細な印象だ