【レポート】

ポスト京スパコンはARMアーキテクチャを採用 - ISC 2016

2 プロセサには拡張したARMアーキテクチャを活用

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プロセサの命令アーキテクチャは、京コンピュータではSPARCであったが、ポスト京ではARMv8+HPC Extensionアーキテクチャに変わる。筆者の個人的見解であるが、命令セットアーキテクチャがSPARC V9でもARMv8でも、できることは大きな違いは無いので、ハードウェアの開発には大した違いは無い。それよりも、2020年にふさわしい性能/電力を実現するなどが設計上の課題になると思われる。

ARMはHPCにはほとんど実績がないのであるが、EUはARMのHPCでの利用を推進しているので、ARMから流用できるものがでてくるという期待もあり得る。

積和融合型の演算、演算を加速するプリミティブ、コア間バリア、セクタキャッシュ、ハードウェアプリフェッチのアシストなどが、富士通拡張としてARMv8の拡張の候補となっているようである。HPC拡張アーキテクチャについては、8月のHot Chips 28(HC28)で発表が行われる予定である。

ポスト京スパコンはARMアーキテクチャの命令セットに富士通のスパコン拡張命令を追加する。詳細は、8月のHot Chipsで明らかにされる予定

そして、ポスト京では米国エネルギー省傘下の研究機関との協力も視野に入っている。新しい3レベルのメモリ階層に対応するメモリ管理や新しいMPI通信に関しては、アルゴンヌ国立研究所との協力が予定されている。

3階層のメモリ管理やMPI通信に関しては、アルゴンヌ国立と協力して開発する

システムソフトウェアに関しては、軽量カーネルを使うことの利点についてIntelと意識を合わせ、IntelのmOSと日本McKernelとの違いの相互理解を経て、軽量カーネルのAPIの標準化に進みたいという。

システムソフトウェアに関しては、軽量のメニーコア向けのMcKernelに移行する

プログラミングは、XMPなどのディレクティブベースの並列プログラミング言語を使う。これらの並列言語の開発には、AICS、ヒューストン大学、筑波大などが協力する。また、ランタイムの開発はアルゴンヌ国立研究所と協力する。

XMPなどのディレクティブベースの言語を使う。その開発は、AICS、ANL、ヒューストン大、筑波大などが協力してあたる

まとめとして、ポスト京スパコンの命令アーキテクチャはARMv8にHPC拡張を追加したものになる。ARMには大きなコミュニティがあり、使い勝手が改善されると期待される。

システムソフトウェアスタックに関しては、国際的な協力を得て開発を行う。理研が開発するソフトウェアはオープンソースとして公開する。そして開発するソフトウェアはポスト京だけでなく、IntelのXeon、Xeon Phiでも動くものとする。という方針が明らかにされた。

ポスト京スパコンはARMv8+HPC拡張命令アーキテクチャに変わる。ソフトウェアは国際的な協力を得て開発し、理研開発分はオープンソースとする。また、IntelのXeon、Xeon Phiでも動くものとする

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インデックス

目次
(1) ポスト京スパコンの性能目標は京の100倍
(2) プロセサには拡張したARMアーキテクチャを活用
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