2016年4月20日から22日に千葉県の幕張メッセで、「第2回国際ドローン展」が開催された。この中から筆者が気になった展示をご紹介する記事の第2弾は、日本企業が開発する産業用ドローンだ。

ドローンは小型カメラを備えた超小型機が家電量販店でも売られるようになり、オモチャ感覚で購入したり、誰でも簡単に空撮ができるようになった一方で、トラブルが急増したことも記憶に新しい。一方で、産業用大型ドローンの活躍はこれから広がっていきそうだ。

圧倒的存在感のプロドローン

会場で最も大きく派手な展示をしていたのはプロドローン社。創立は2015年1月と1年を過ぎたばかりだが、分社化以前からラジコンヘリコプターの経験があり、ファントムシリーズで知られるDJI社とも技術提携している。カスタムメイドなど、高付加価値の産業用ドローンに特化してDJI社と住み分けているようだ。

話題にもなったドローン捕獲用ドローン。4連装のキャッチャーネットは犯罪者捕獲用の市販品。からめ取ったドローンごと吊り下げられるよう、プロ用テレビカメラなどに使われる大型の機体がベース。

天井検査専用のドローン。ダクテッドローターで天井に吸い付いたあとは、車輪を使って移動する。意外すぎる形状だが、自分で天井まで飛んで行く様はまぎれもなくドローンだ。

貨物輸送用大型ドローンのモックアップ。4個のコンテナを内蔵搭載でき、災害などで30kgの貨物を輸送することを目指している。コンテナを外せば8つのローターを内部に折り畳み、積み重ねてトラックなどに載せることが可能だ。今回はモックアップの展示だが、現在の技術で製作可能で、開発中とのこと。

日本のブランド、ミニサーベイヤー

ミニサーベイヤーの展示が集まるエリア。自立制御システム研究所を中心に、ロゴを掲示した企業がずらりと並ぶ。

会場内では複数の企業がミニサーベイヤーのロゴを掲げていた。これは千葉大学特別教授でミニサーベイヤーコンソーシアムの会長も務める野波健蔵氏が研究開発したマルチコプター技術を基にして、機体やサービスを開発していることを表すものだ。なお、ドローンという言葉は軍事用語だという考えから、マルチコプターをミニサーベイヤーと呼んでいるそうだ。

野波氏自身が代表取締役を務める自立制御システム研究所は、ミニサーベイヤーの機体を開発販売している。

ミニサーベイヤーの基本モデル、MS-06。着陸脚とローターガードを兼ねた先端部を互い違いにした展示姿がユーモラス。MS-06は様々な応用モデルが派生している汎用機のようだが、そのコードネームがMS-06というのは、筆者個人的には感慨深い(ガンダム世代なので)。

開発中の滑空型機体。主翼を外した本体部分の飛行試験には成功しており、今後は主翼を取り付けての飛行試験に臨む。

ローターを備えたフレーム部分と本体を分離し、本体は傾斜しないようにした機体。カメラやセンサーが傾かないようにするジンバルが不要なだけでなく、機体のセンサーも安定するのがメリットという。

菊池製作所は金属やプラスチックの加工成型から研究開発のサポートまでを総合的に行う企業で、自立制御システム研究所のMS-06型機体の製造を担当しているほか、ミニサーベイヤーコンソーシアムの一員として独自開発も行っている。

機体の下にあるのは捜索用アンテナで、飛行する際には機体から吊り下げる。山中などで遭難した人が専用のタグを持っていれば、このアンテナから発信する電波に反応して居場所を知ることができるという。

MS-06以外の機体は自社製品として販売。放射線測定用の機体を独自開発している。

ミニサーベイヤーの応用もさまざまなものが展示されていた。筆者の目を引いたのはNECのコンクリート検査システム。機体が橋などの近くを飛行し、ハンマーでコンクリートを叩いて亀裂などを調べる。足場を組まずに検査ができる優れものだ。

コンクリートを叩いて検査するNECの機体も、ミニサーベイヤーにNECの検査装置を取り付けたもの

最後に、ドローンそのものではない展示をご紹介しよう。セコムの展示では警備ドローンの映像も流されていたが、展示物はドローン侵入を検知する対空センサー。まるで護衛艦に搭載されているレーダーのようだ。ドローンの進歩は世の中を便利にする一方で、安心のためには空にも気を配らなければならない時代をもたらしてしまったようだ。

セコムのドローン検知システム。まるで対空防御システムのようだ…というより、民生用警備システムでも対空警備が必要な時代ということだ。