音を可視化する室内音響認知支援システム

青山学院大学のグループは、室内音響認知支援システムを展示。Kinectのステレオマイクを使って、音源の位置を推定し、中心周波数に応じた擬音語を表示する。中心周波数によって文字を変えているので、画像だけで音の雰囲気がわかるのは面白い。

【左】難聴者向けに「音を見せる」屋内環境認知支援システム。マンガチックな書き文字だが、内容は極めて真面目。Kinectは音の位置判定と、2Dカメラとして使用している 【右】画面は「トン」なので、中心周波数が200-600Hzと判断している。音の強弱や長さがわからないのが弱みかもしれない

「肌」を伝う超音波でウェアラブルデバイスをコントロール

早稲田大学のグループは、肌を伝わる超音波の周波数分布に着目。手首に付けたトランスミッタとレシーバ、反対側の手に持つレシーバを使用し、ジェスチャーやタッチ位置によって変化する超音波の周波数分布を、入力装置として使用するデバイス(プロトタイプ)を展示していた。

現状では被験者が少ないものの、かなり高い認知率を出している。いわゆる「腕時計型ウェアラブルデバイス」の入力範囲を、大きく広げることができそうだ。ただし、認知率を上げる周波数範囲の拡大や、デバイスに組み込むための小型化と省電力化が今後の課題ということ。実用化への道はまだ遠そうだ。

手首に付けるデバイスへの入力操作が、格段に多彩かつ高精度になるかもと、期待を持たせる超音波伝送による認識

こちらのデモでは、指を挟んだ「Pinch」を認識している。右が手の動きで変化する超音波のスペクトル分布状態

タッチは(左手の)甲にレシーバを当てる位置で判断。デモでは9点の識別を行っており、ジェスチャーとの組み合わせで入力種を増やせる