SOLIDWORKSは2月1日~2月3日、米テキサス州ダラスで年次イベント「SOLIDWORKS WORLD 2016」を開催している。

同イベントではSOLIDWORKS関連の新しい情報が数多く発表されているが、本稿では2月1日に提供を開始したレンダリング製品「SOLIDWORKS Visualize」をご紹介する。

普通のPCで高品質なレンダリングが可能

「SOLIDWORKS Visualize」はこれまで「Bunkspeed」として知られていた製品で、高品質なレンダリングをエントリレベルのPCで実現する。同製品にはStandardとProfessionalがあり、Standard版では静止画のみ作成可能で、Professionalではそれに加えてアニメーションやVR用のコンテンツを作成することができる。

同製品は使い勝手の良さが追求されており、SOLIDWORKSのBrian Hillner氏が披露したデモでは、ドラッグアンドドロップでモデルの色を変えたり、ワンクリックで周囲の環境を変更していた。同氏が使用していたのは普通のノートPCだったが、サクサクとレンダリングが行われていた。

SOLIDWORKSのBrian Hillner氏

SOLIDWORKSにはSOLIDWORKS内でレンダリングを行う「PhotoView 360」が存在しているが、「Visualize」は独立した製品であるため、SOLIDWORKSがインストールされていない端末でも使用できることが大きく異なる。そのため、エンジニアリング以外の領域での使用に適しており、特に美麗なグラッフィクを活かしたマーケティング領域で強みを発揮する。もちろん、エンジニアリングでも、開発段階から顧客のフィードバックを得ることなどができるため、開発プロセスの短縮が可能になる。Hillner氏によれば開発時間を約40%削減することができるという。

SOLIDWORKS以外のCADにも対応しており、Autodesk Alias、 Rhinoをはじめとする25種類のCADのデータをインポートできる。

特にメリットを発揮するのは時計、自動車、航空機などの分野。StandardはSOLIDWORKS ProfessionalおよびPremiumを使用していれば無料で使用できるため、当面は既存のSOLIDWORKSユーザーへの導入を進めていく。ただし、上述のようにエンジニア以外の領域でも有用であるため、SOLIDWORKSを使用していない層にも訴求しSOLIDWORKSコミュニティの拡大を図りたい考えだ。

Standard、 Professionalの両バージョンとも国内価格はまだ明かされていないが、米国ではStandardが1495ドル(スタンドアロンで購入した場合)、Professionalが2995ドルで提供される。