2015年12月16日から18日、マイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2015」が東京ビッグサイトにて開催されている。今年の特別展「WORLD OF IOT」には、半導体製造装置や材料とは異なるさまざまな分野の企業がIoT関連のブースを出展している。

特別展「WORLD OF IOT」

IoTを実際に体験できるデモンストレーションエリアでは、ユカイ工学がコミュニケーションロボット「BOCCO」を展示している。

2015年7月より販売されているBOCCOは、WiFiおよびセンサと通信するための近接無線の技術を搭載しており、インターネット経由でスマートフォンと音声メッセージをやりとりできるほか、家庭内のセンサの情報をスマートフォンに通知することができるというもの。たとえば、ドアに取り付けた積み木型のセンサによって子どもの帰宅時間をスマートフォンで把握したり、スマートフォンから「おかえり」などといった音声メッセージをBOCCOへ送ったりすることが可能だ。

現在販売されているセンサは、ドアに取り付けることを想定した加速度センサのみだが、今後は鍵の閉め忘れを防ぐロックセンサや、人の動きを感知するセンサ、部屋の温度や湿度を知らせるセンサの発売を予定しているという。

コミュニケーションロボット「BOCCO」。スマートフォンからの音声メッセージをBOCCOへ送ったり、家の中の状況を把握したりすることが可能。子どもやお年寄りの見守りロボットとしての利用を想定している

ドアの動きを感知してスマートフォンに通知することができる

また、クラウドコンピューティングサービスを提供するAmazon Web Services(AWS)やIoT通信プラットフォームを提供するソラコムもブースを出している。AWSは、同社のサービスを用いた最新のAWS IoTソリューション、ソラコムは、従量課金でIoT向けのデータ通信SIM 「Air SIM」を利用できるサービス「SORACOM Air」についての展示を行っている。両者ともSEMICONへの出展は初となる。

Amazon Web Servicesのブース。この一角にソラコムの展示がある

「SORACOM Air」ではSIMの利用状況を簡単に把握・管理できる

このほか、テスラモータズはアクセルを踏んでからわずか3秒でガソリンを使わずに一気に時速100kmに達することができるという電気自動車セダン「モデルS」を展示している。モデルS車内のタッチスクリーンでは、エアコン設定のカスタマイズ、ラジオの選局などといった機能を指先ひとつで操作することが可能だ。

電気自動車セダン「モデルS」外観

車内のタッチスクリーンでは車のほとんどの機能を指先ひとつでコントロールすることができる

一方、トヨタ自動車ブースでは、デンソーなどが協力して開発を進めるSiCパワーデバイスの紹介が行われている。SiCトランジスタやSiCダイオードのウェハの実物や、シリコンPCU(Power Control Unit)に比べて約1/5のサイズに小型化されたSiC PCUなどの実物を見ることができる。

SiCパワー半導体のウェハと、それを用いたPCU。従来のシリコン半導体を用いたPCUに比べ、圧倒的に小型化されている