ロジクールは27日、iPad Pro専用のバックライト付きキーボードカバー「iK1200」、二つ折り保護カバー「iC1200」のタッチ&トライを実施した。

こちらはiC1200。ブラック、クラシックブルー、クラシックレッドの3色を用意

「iK1200」と「iC1200」は、スイスを本拠地とする同社が、iPad Proの発表日当日に「CREATE」の名称で開発を表明していた専用キーボードカバーだ(iC1200はカバーのみ)。国内ではApple Storeやロジクール直販サイトで、iPad Proの発売と合わせた11日に販売開始。直販価格はiK1200が税別18,800円、iC1200が税別10,880円。詳細はニュース記事に譲るとして、ここではキーボードカバー「iK1200」のファースト・インプレッションを紹介したい。

「iK1200」は、サードパーティ初となるiPad Pro用モバイルキーボードだ。12.9型タブレット「iPad Pro」のサイズに合わせ、キーピッチ19mm、キーストローク1.5mmと、一般的なA4型ノートPC水準の打鍵感を実現。電力・データを同時通信できる接続コネクタ「Smart Connector」により、iPad ProをSmart Connectorに接続すると自動的に電源オンになり、Bluetooth経由のようなペアリング設定が不要なことも特徴だ。

本体サイズはW230×D19.9×H315mm、重量は725g。持ってみた第一印象は、「意外と重い」。本体のみだと約725gと、さほど重くはないのだが、iPad Pro本体(Wi-Fiモデルで713g)をセットすると、合計で1.438kgとなる。サイズ感も合わせ、13.3型のノートPCを持つ感覚と近い。純正キーボード「Smart Keyboard」の約340g(編集部での実測値)と比べても確かに重いのだが、バックライトを搭載している点、パームレスト部にアルミ素材を採用する点などを考慮すると、使い勝手相応の重量とも思える。

iK1200と、iPad Pro

先の通り、ロジクール(Logitech)は、iPad Pro発表日当日に「iK1200」を公開した。アップルと協業することで、Smart Connectorをはじめ、事前に各種インタフェースやcellular用のアンテナ、カメラ、オートスリープ位置など、iPad Proの製品情報を共有。各端子を避けて外装をデザインしたほか、アンテナ位置と重なる部分に金属を使わないなど、機能を損なわず、iPad Proの形状にも完全に沿ったキーボードカバーを作り上げたという。

各端子類やカメラを避け、外装をデザインした

Bluetoothを経由しない、Smart Connectorでの物理的な接続は手軽かつ、Bluetoothで時折見られるような入力遅延もなく、非常に楽だった。電源のオンオフも不要なため、有線キーボードをPCにつなぐ感覚で使える。気になるのは打鍵感だが、打ち心地は若干硬めで、12.9型のiPad Proと近いサイズである、一般的な13.3型ノートPCのキーボードよりストロークも深く、かなり良好だ。同社の他のモバイルキーボードと同じく、キー表面に凹みがつけられ、指のフィット感も考慮されている。普段ノートPCを使っている人なら、まず長文作成も問題ないだろう。

キー配列は英語配列の78キーで、日本語配列は「要望はあるが検討中」という。[Fn]キー上部に特殊キーを備え、ホーム、画面の輝度調整、検索、言語切り替え、キーボードバックライト調節、メディアコントロール、音量コントロール、iPadオン/オフ、スリープ/ウェイクを利用できる。本体はiPad ProからSmart Connector経由の給電で駆動するため、バックライトを点灯させて使うとiPad Proの駆動時間が短くなりそうだが、実際にはバックライトを消灯した場合と比べても「5分と変わらない」という。

キーボード部分

手を置いてみたところ。キー数の少ない省スペースのデスクトップ用キーボードと近いサイズ感だ

キーエリアは凹んでおり、iPad Proの画面にキーが接しないようになっている

バックライト点灯中。中央奥が特殊キーのバックライト点灯/消灯キー

保護カバーは、強化プラスチックのようなざらついた手触りで、非常に固く、曲げにくい。傷や衝撃に強く、少量の水を弾く加工という。iPad Proの着脱にも少々力が必要だが、頑丈な印象である。中央部に柔らかい素材使われており、この部分を折り曲げてスタンド化することで、Apple Pencil利用向けのビューイングアングルとなる。

iK1200を装着したiPad Pro。閉じるとオートスリープ状態となる

保護カバーの外装。ざらついた手触りだ

右側面からみたところ

背面から見たところ

Apple Pencil利用時に適したビューイングアングル。ちなみに、純正キーボードと同じくApple Pencilの置き場所はない

アップルもiPad Pro用の純正キーボードを発売しているが、ロジクールに言わせると、この「iK1200」はハイパフォーマンス機であり、純正キーボードとは用途が違うという。

ロジクールのクラスター マーケティング マネージャー 黄佑仁氏は、「競合する見方もあると思うが、我々の中では、ターゲットが違う。純正キーボードは薄く、軽い。このキーボードはパフォーマンスを重視する。用途に応じて選んでもらえるだろう。純正キーボードと、我々のキーボードで、iPad Proユーザーの全体をカバーできると思っている」と強みを語った。

黄氏は、キーボードを用意することが、iPad Proの需要を広げることにつながると見る。

「アップルがiPad Pro用に純正キーボードを出した意味は、『iPad Proにはキーボードが必要』というアップルからのメッセージ。12.9型というサイズは大きい。買うユーザーはiPad Proでないといけない、という意味付けがあるだろう。キーボードはその答えのひとつ」(黄氏)。