【レポート】

東京都足立区の子どもの貧困実態は - 児童扶養手当受給のひとり親が増加

 

東京都足立区の子どもの貧困実態は

区全体で子どもの貧困問題に向き合っている東京都足立区。このほど来年度から実施予定の「子どもの貧困対策実施計画案」を策定し、その内容について発表した。同区は何を課題と捉え、どんな対策を打っていこうとしているのか。同区の担当者に尋ねた。

全庁あげて対策を

同計画案は、「全ての子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく、自分の将来に希望を持てる地域社会の実現を目指す」などとして足立区が策定したもの。計画が確定すれば、平成27年度から5年間にわたって実施される予定だ。

同区は区が抱える4つの課題として、「治安」「学力」「健康」「貧困」をあげている。このうち、世代が変わっても貧困状態から脱却できない「貧困の連鎖」が問題だとして、その解消のために専門部署である「子どもの貧困対策担当部」を設置。部や課の枠にとらわれず、全庁をあげて問題に取り組む姿勢を示している。

担当者は、「福祉や子どもの分野で対策を行っている自治体はあるが、専門の部署を持っているところは珍しいのではないか」と指摘。その上で、「子どもの貧困問題はいろんな分野にまたがる課題だ。私たちの課が横串となって政策の立案や調整を進めていきたい」と語った。

経済的貧困に加え、社会的孤立も

同区の子どもたちの貧困状況はどうなっているのか。現状を端的に表しているデータのひとつが「就学援助率」の高さだ。「就学援助」とは、経済的理由により就学困難な児童・生徒の保護者に対し、学用品費等の必要な費用を援助する国の制度のこと。この「就学援助」を受けている割合が、国の平均では15.6%となっているが、同区では37.0%と2倍以上になっている(平成24年)。

さらに、貧困率が高いとされるひとり親家庭に支給される児童扶養手当の受給者数も、平成26年は7,133人と20年前の約1.8倍に増加。子どもたちを取り巻く状況は深刻化している。

加えて担当者が示してくれたのが「歯科検診で未処置のむし歯がある子どもの割合」だ。 平成26年度の調査では、小学生の東京都平均が19.84%であるのに対して、同区は22.52%と高くなっている。区全体では減少傾向にあるが、東京都平均、特別区平均に比べると依然として高く、特別区の中でも高い状況にあるという。

担当者は「中学生までは医療費の自己負担がないにも関わらず未処置のむし歯があるということは、生活習慣や家庭の状況に課題があることが推測できる」と指摘。「子どもの貧困問題は、経済的な事情だけを解消しても解決されない。子どもたちが自立できるように"社会的孤立"からも救わなければならない」と語った。

子どもの貧困を課題として抱える同区。具体的にどんな対策を打っていこうとしているのか。後編でご紹介する。

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