5年に1度の「Canon EXPO」が11月4日、東京国際フォーラムで開幕した。4回目となる「Canon EXPO 2015 Tokyo」では、"2020年の東京"をテーマに、映像文化の発展、ビジネス革新の支援など、キヤノンが描く"未来像"が展開された。

「2020年の東京は、『人の想いを実現するビジネス』で溢れる街」と題し、オフィスや医療現場、観光地などさまざまな場面で活用されるキヤノンのソリューションが紹介された。

2020年の東京は、「人の想いを実現するビジネス」で溢れる街

ネットワークカメラで観光支援

キヤノンは5月に、ネットワークカメラの世界シェアトップであるアクシスを子会社化するなど、現在ネットワークカメラに注力している。これまでネットワークカメラというと、防犯・監視目的で利用される印象が強いが、同社が描く2020年の東京ではそれ以外の目的でのさまざまな使われ方が考えられている。

例えば、同社のネットワークカメラ技術と、富士通のクラウド・Webアプリケーション技術による「観光支援ソリューション」がそうだ。観光地にネットワークカメラを設置することによって、観光客は観光ルートのプランニングやシミュレーション、観光地の混雑状況の把握などができるようになる。

行きたい観光地を選択することによって、おすすめのルートが表示される

混雑状況の通知も

このアプリケーションは観光客向けのソリューションとなっているが、観光施設側に対しては、施設内の混雑状況を可視化し、リアルタイムに状況把握することができるソリューションが用意されている。

混雑状況を表すヒートマップ

2020年のオフィス

「臨場感あるコラボレーション可能な次世代オフィス」として、海外など離れた場所にいる人と、その場にいるような感覚で状況共有・意思確認が行えるソリューションも展開されていた。

距離を感じさせないコミュニケーションが可能

このコラボレーションシステムでは、ドキュメントを共有したり、書き込みを行うことも可能となっている。

話した言葉が自動的にメモされる機能も搭載

会場では、デザイン企画の打ち合わせをシチュエーションにデモが行われた。キヤノンは、従来の会議システムなどと比べて、よりクリエーティビティの高い課題解決を行っていくことができるものとしている。

カメラ・プロジェクタ・センサーを一体化した「Versatile」

カメラ・プロジェクタ・センサーが一体化された「Versatile(仮)」というプロダクトが、さまざまな使用用途で紹介されていた。

「多目的な」という意味を持つ、「Versatile(仮)」

デスクの上に同プロダクトを設置し、デスク上に投影される画面の該当箇所に診察券やSuicaなどのICカードを置くことで、情報が読み取られるような仕組みとなっている。さらに投影される表示に従って指で選択していくことによって、診察時の問診票の記載や会社の交通費申請時の手入力を省くことが可能となる。

カメラも内蔵されているため、例えば病院の受付時などに、服用している薬を置くだけで、撮影してデータ化することが可能となる。

診察券や保険証を設置することによって、情報が読み取られる

カメラで撮影してデータ化することも可能

領収書の情報を読み取ることも可能なため、オフィスにおける交通費や経費精算の場面でも活用することができる。

データ化された情報を指すことによって、領収書原本の該当箇所が示される機能も

2020年まであと5年。東京はどのような街になっているのだろうか。