東京ビッグサイトで本日10日まで開催されている「第6回 DESIGN TOKYO」(リード エグジビション ジャパン主催)内は、「売れるデザイン」をテーマとして、各企業が自社製品を出展する展示会。その中に、いまだ製品にはなっていない「プロトタイプ」を一覧できるコーナーがある。本稿では、同展示会内の特別コーナー「PROTO LAB(プロトラボ)」を紹介する。

「PROTO LAB」

通常、展示会ではすでに発売されているものや発売予定の製品が披露されるが、この「PROTO LAB」では、製品化の前段階の原型である「プロトタイプ」が一堂に会する。昨今、先進的な製品の開発資金をクラウドファンディングで募集する事例が脚光を浴びることも増え、それ以前よりプロトタイプが広く目にされる機会は増えたものの、試作機やモックなど、そのモノ自体を直接見る機会は貴重だといえる。

【照明部門】hAkari(オチュカデザイン) ものの重さで灯りが変化する照明。グラス等を専用の木製台に置くと沈み込み、カッティングから光が漏れ出す

【照明部門】kvel(ゼロバイゼロ) 手持ちのグラスやキャンドルホルダーに差し込み、光の模様を楽しむスティック状の照明。音に反応して光り方が変化する

加えて、このコーナーではプロダクトデザイナー自身がブースに常駐しているため、プロダクトについての質問を直接ぶつけることも可能だ。先進的な製品を求めているバイヤーやメーカーにとっては、アイデアの芽を見る機会になっているようだ。製品テーマ別に部門が設けられており、「照明部門」「スマホグッズ部門」「時計部門」「キッチンウエア部門」の4部門ごとに展示が行われていた。

【照明部門】Citclation(Changhyun Ahn,Hyesoo Han,Jaewoo Park) 廃棄された自転車のホイールを再利用した照明。デスクランプなど複数のバージョンを展示していた

【時計部門】Ppok Watch(Hyeri WON,Sangkyung PARK,Soyoung KIM) 利用しなくなった腕時計にブローチにリデザインし、洋服や鞄などに付けられるようにした製品

照明のプロトタイプ「hAkari」を出展した「オチュカデザイン」の大塚氏は北海道を拠点に活動しており、今回このコーナーに初めて出展したとのこと。「ショップのオーナーの方だけでなく、デザインプロダクションの方など、さまざまな方からお声がけいただけています。プロダクトに対して、さまざまな反応をいただけるのが刺激的ですね」と語った。

【イス部門】ステップアップチェアー(藤村デザインスタジオ) 背もたれの部分が高いハイバックチェア。書棚の脚立としても利用できる

【イス部門】lean chair(フィールドデザイン) 美術館や図書館などのロビー空間での利用を想定したオブジェ調のイス。床や壁へ固定せず、人が座ることで安定するデザイン

「アイデアの芽」がさまざまな刺激を受けることで、製品化への足がかりとなったり、協業のきっかけをつかむことができる場となっているようだった。本コーナーは展示会併設となっており、すでに次年度の募集も始まっているので、直接訴求したいプロトタイプを抱えている作り手は、出展を検討してみては。

注:DESIGN TOKYOは商談を目的とした展示会のため、一般および18歳未満の入場は不可となっている。