説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneが金属探知機になるってどういうこと?」という質問に答えます。

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方位磁針(コンパス)にはいろいろな方式がありますが、もっとも一般的な磁石の性質を利用するタイプは、周囲の磁気に対し敏感な反応を示します。永久磁石や鉄製品に反応することはよく知られていますが、鉄骨を使用した建築物、携帯電話などの電子機器も該当します。

現行モデルのiPhoneには、地磁気のように微弱な磁気を検知する磁気センサーが内蔵されています。その磁気センサーを利用して方位を測定する機能が「電子コンパス」で、「マップ」や「コンパス」などの現在地や方位が重要な意味を持つアプリで活用されています。

この電子コンパスは、アプリ開発に使用できるようフレームワークが整備されており(CoreLocation)、実際多くのサードパーティーからアプリが公開されています。その多くは、方位を測定する目的で電子コンパスの機能にアクセスしますが、例外も存在します。それが、いわゆる「金属探知機アプリ」です。

金属探知機アプリは、iPhoneに内蔵の電子コンパスが周囲の磁気にどの程度反応しているかをチェックし、周囲に永久磁石や鉄製品があるかどうかを判定していると考えられます。iPhoneに標準装備のアプリにそのような機能はありませんが、永久磁石を用いた方位磁針同様に電子コンパスも周囲の磁気に反応しますから、動作原理としてはうなづけるところです。

実際に「Metal Detector」というサードパーティー製アプリで試したところ、包丁に近づけたとき明確な反応を示しました。スピーカーなどの磁石を用いた機器には、より強く反応します。センシティビティ(感応度)を調整すれば、小さな金属にも反応することでしょう。実用性では疑問が残るものの、金属探知機として動作するかどうかという問いには「YES」が答えになります。

内蔵の電子コンパスの機能を利用した"金属探知機アプリ"が存在します