説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「『コンパス』で調整するときとしないときがある理由は?」という質問に答えます。

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iPhoneに標準装備のアプリ「コンパス」は、内蔵の磁気センサーを使い方位を測定します。いわゆる電子コンパスとしての機能のほか、画面をフリックすれば水準器としても利用できます。

以前のiPhoneは、水平に持たないと方位を正しく測定できませんでしたが、iPhone 4以降に内蔵された「3軸ジャイロスコープ」の補正効果により、現在では持ちかたを気にせず気軽に利用できるようになりました。とはいえ、テレビやパソコンのような強い磁気を発する電化製品や強力なマグネットを備えた機器にiPhoneを近づけると、磁気センサーが影響を受け正しく測定できなくなります。

この問題を解決するのが「キャリブレーション」で、内蔵の磁気センサーをもとの状態に戻します。「コンパス」を起動したとき、「調整」と題された画面でボール転がしを強制させられるのは、正しい方位を測定するために必要なことです。

ただし、キャリブレーションは磁気センサーが影響を受けたときだけではありません。「コンパス」が初期化を伴う起動をしたときにも、キャリブレーションを強制されます。だから、ホームボタンをダブルクリックすると現れる「Appスイッチャー」で「コンパス」を完全に終了(画面を上方向へフリック)すると、次回起動したときは必ずキャリブレーションさせられます。

iOSでは、タスク切り替えでバックグラウンドに回ったアプリはしばらく状態が保存されるため、他のアプリに切り替えてから数分以内で「コンパス」に戻れば、キャリブレーションを強制されることなく方位を測定できます。しかし、メモリの空き容量などiOSの都合によって強制終了させられることもあるので、バックグラウンドに回ったあと使われなかった「コンパス」は、次回アクティブにしたときキャリブレーションを強制される可能性大です。

「コンパス」でキャリブレーションを強制されるのは、磁気の影響を受けたときか、初期化を伴う起動をしたときです