説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneで撮影する写真が微妙に傾きがちです……」という質問に答えます。

***

写真を撮影するときは、水平・垂直であることが基本です。敢えて大きめに角度をつけ動きを表現することもありますが、微妙な傾きは写真の安定感を損ねます。

デジタルカメラの場合、三脚を立て水準器を使い水平を保つようにするものですが、サッと出してパッと撮ることに価値があるiPhoneの場合、そういうわけにはいきません。他の方法で水平・垂直を保つにこしたことはないでしょう。

ひとつの方法としては、「グリッド線」の活用が考えられます。グリッド線の表示を有効にしておくと、「カメラ」のプレビュー(iPhoneに表示される被写体)に重なるよう縦横2本の線が引かれるため、撮影時の位置合わせの基準にできます。被写体そのもの、あるいはその近くに直線を見つけ、グリッド線と平行になるように調整すれば、気になるほどの傾きは生じにくくなります。

グリッド線を有効にする場合は、「設定」→「写真とカメラ」の順に画面を開き、「グリッド」スイッチをオン(緑色)にします。あくまで位置決めの参考用にプレビューに表示されるだけで、実際の写真には写り込みませんから、よほど目障りにならないかぎり表示を有効にしておいたほうがいいでしょう。

もうひとつの方法は、iPhoneを水平な場所に固定した状態でシャッターを切ることです。iPhoneには移動速度や傾きを調べるためのIC「モーションセンサー」が内蔵されていますから、その機能を利用してiPhoneを置く位置が水平になるよう調整すればいいのです。付属のアプリ「コンパス」を起動して方位磁針の画面が現れたあと、画面を左方向へスワイプすれば、水準器モードに切り替えることができます。iPhoneを固定してタイマー撮影するときは、この方法を使うといいでしょう。

グリッド線の表示を有効にしていれば、被写体に含まれる直線(この写真では布地表面)を参考にしつつ、水平に撮影することができます