説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「Apple Watchを買うメリットって何?」という質問に答えます。

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Apple Watchは、再安価のSportモデル(38mm)でも42,800円です。単独では電話することはもちろんインターネットにも接続できませんし、パソコンと同期をとることもできません。価格も価格ですから、現状iPhoneで事足りているというユーザにとっては、敢えて購入するほどのデバイスとは映らないことでしょう。

しかし、iPhoneを積極的に活用しているユーザにとって、Apple Watchが持ついくつかの機能は重要な意味を持ちます。そのうち即効性がある機能を3つ挙げてみましょう。

1つめは、ヘルスケア機能です。腕に装着しておくだけで心拍数や運動量を測定でき、iPhoneにデータとして蓄積できますから、健康管理やダイエットには一定の効果が期待できます。いろいろな記事で取りあげられていますから、この点は敢えて説明するまでもないでしょう。

2つめは、通知の転送機能です。iPhoneに届いた通知は、Apple Watch管理用iPhoneアプリ「Apple Watch」でスイッチをオフにしないかぎり、手首に軽い振動を伝える「タプティック・エンジン」の効果付きで、ただちにApple Watchへ伝えられます。通信はBluetoothでほぼリアルタイムに行われるため、iPhoneを手にとる必要がありません。通勤時はバックに入れていて取り出しにくい、授業中のスマートフォン利用は禁止されている、といった場合でも目立たず通知をチェックできます。

そして3つめが「オーディオプレイヤー」です。Bluetoothヘッドホン/スピーカーが必須となりますが、Apple Watchに楽曲を転送しておけば、iPhoneなしでも音楽を聴くことができます。iPhoneで行う音楽再生に対し指示を出す、リモコンとして使うことも可能です(その場合iPhoneに接続したイヤホンを利用できる)。

メリットは3つにとどまりませんが、iPhoneにない機能、iPhoneと連携し補完する機能、iPhoneの代役となる機能が巧妙に組み合わされていることが、Apple Watchの特徴です。百万円を超える高価なEdition版はともかく、価格なりの機能と満足感は得られるのではないでしょうか。

iPhoneに届いた通知は、タプティック・エンジンの振動付きでただちにApple Watchへ転送されるので、見逃すことがありません