説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「余ったiPhoneを子どもに譲るなら、どれがいい?」という質問に答えます。

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毎年秋の恒例行事となりつつある「新しいiPhone」の発売ですが、裏返せばそれまでのiPhoneは下取りされるか第一線を退くかの選択を余儀なくされます。新しいiPhoneは買い増し(携帯電話回線を増やす)を選んだとしても、毎年秋に回線を1つ増やす人はかなりの少数派……おそらく、2世代以上前の機種は売却するか、SIMを引き抜き「iPod touch化」する人が多いはずです。

本稿執筆時点の最新モデルはiPhone 6/6 Plusですから、2世代前がiPhone 5、3世代前がiPhone 4Sということになります。もしその2台を手放していないのであれば、お子さんに譲るにはちょうどいいのではないでしょうか。描画性能などパフォーマンスは最新モデルに劣るものの、iOS 8がサポートされ機能面では現在でも十分現役のレベルですから、少々の不満はガマンしてもらいましょう。

問題はむしろ、SIMカードかもしれません。2015年3月現在、日本の3大キャリアが取り扱うiPhoneにはSIMロックがかけられていますから、いわゆる「格安SIM」の選択には制約があります(例:auで契約したiPhoneはauの回線を使う格安SIMしか利用できない)。ドコモの回線を使う格安SIMは多数ありますが、au系MVNOは2社あるもののiOS 8では利用できず、ソフトバンクの回線を使うMVNO(Y!モバイル)でソフトバンクで契約したiPhoneは使えません。

家族通話や割引のことを考えると現在の携帯電話会社を使い続けるほうが有利、と判断した場合はiPhone 4Sがベストチョイスかもしれません。LTE回線は使えませんが、「標準プライスプランパケットし放題 for スマートフォン」(ソフトバンク)や「ダブル定額スーパーライト」(au)といった3G回線用の安価なパケット定額サービスを選択できるため、月々の料金が安くすむからです。現在利用しているキャリアのショップへiPhoneを持ち込めば、事務手数料は発生するものの、短い時間で手続きは完了します。

ソフトバンク/auで購入したiPhoneはMVNOの選択肢が少ないため、アダプタを使うなどの裏ワザに頼らないかぎり、3G回線用の安価なパケット定額サービスを選べるiPhone 4Sのほうが維持費は安上がりです