説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iCloudストレージ、1TBも必要なの?」という質問に答えます。

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いまやiPhoneユーザに必須のクラウドサービスとなった「iCloud」ですが、データ保存用の領域(iCloudストレージ)として無償利用できるのは5ギガバイト(GB)までです。それを超えて利用する場合、iCloudストレージを有償アップグレードしなければなりません。

2015年3月現在、iCloudストレージの有償アップグレードは20GB(100円/月)、200GB(400円/月)、500GB(1,200円/月)、1テラバイト=1000GB(2,400円/月)という4種類が用意されています。無償の5GBでは手狭なので20GB、200GBを選択する可能性はあるにしても、1000GBが必要かどうかは微妙なところです。

iPhoneのバックアップ先にiCloudストレージを選択している場合には、話は変わってきます。iPhone 6/6 Plusの最大メモリ容量は128GBですから、大量の写真やビデオ、メールをiPhoneに貯めこんでいる場合には、20GB増量では足らなくなりそうです。200GBでも手狭に感じるかもしれません。とはいえ、100GB超のデータをWi-Fi経由で転送するとなると、かなりの時間を要するため、ある程度のデータ容量になるとバックアップ先にパソコンを選ぶユーザは多そうです。

では、500GB、1000GBものストレージ容量が必要かどうかですが……「iCloudフォトライブラリ」が本格的にスタートすると、状況は変わるかもしれません。iCloudフォトライブラリは、iOS 8からサポートされた写真保存サービスで(現状ベータ版)、iPhoneで撮影した写真/ビデオをiCloudストレージに保存します。従来のフォトストリームは、保存期間が最長30日という制限がありますが、iCloudフォトライブラリは無期限です。

写真/ビデオをiCloudストレージに長期保存するようになると、容量は1TBでも足りなくなるかもしれません。2015年春以降、iCloudフォトライブラリはMac(iPhotoの後継アプリ「写真」)でもサポートされますから、その傾向に拍車がかかることでしょう。

iCloudフォトライブラリへの長期保存が当たり前になると、iCloudストレージの容量は500GBや1TBでも足りなくなるかもしれません