寒い冬のシーズンが終わり、やがて新緑の春を迎える。パソコンやタブレット端末を持って外に出る機会も増えることだろう。外出時にはモバイルWi-Fiルーターを便利に使いこなしたい。そこで気になるのは、各キャリアの通信速度だ。
ネオマーケティングが3月20日に公開した、モバイルWi-Fiルーターを使った最新の通信速度比較調査の結果では、全国平均速度において下り、上りともにソフトバンクが一番速かったという。本稿でその結果について考察していきたい。
同調査は、全国の主要21都市(各10地点、計210地点)を対象に実施したもので、調査期間は2015年3月2日から3月14日まで。対象となったモバイルWi-Fiルーターは、NTTドコモの「Wi-Fi STATION HW-02G」、KDDI(au)の「Speed Wi-Fi NEXT W01」ソフトバンクモバイルの「Pocket WiFi 303ZT」、の最新の3機種。iPad Air 2で「RBB TODAY SPEED TEST」アプリケーションを使い対象端末とWi-Fi接続をして計測、測定地ごとに5回ずつ計測を実施し、その平均値を実測値とした。
調査の結果、全国平均速度ではソフトバンクが下り33.76Mbps、上り7.81Mbpsを記録。下り速度、上り速度ともにソフトバンクが一番速かった。通信速度が最速となった都市の数でもソフトバンクは下り速度が17都市でトップ。NTTドコモは4都市だった。上り速度でもソフトバンクが10都市でトップ、以下NTTドコモが6都市、KDDI(au)が5都市という結果になっており、ソフトバンクが差をつけて勝利している。
ソフトバンクの電波が強い理由は?
さてここから、ソフトバンクのモバイルWi-Fiルーターが最も速かった理由について考えてみたい。ソフトバンクでは2つの高速通信「SoftBank 4G LTE」「Soft Bank 4G」が使える「Hybrid 4G LTE」を提供中だ。これにより、各都市の各エリアにおいて常に快適な高速通信が提供できていると言えそうだ。また同社では電波を改善すべく、様々な対策を行っている。例えば月に約21億件も収集される膨大なビッグデータを解析。これにより、効果的な基地局の建設が可能となっている。現在は通信速度だけでなく、パケット接続率でも他キャリアを制しているという調査結果も出ている。孫正義ソフトバンクグループ代表の号令で始まった、こうした一連の電波改善対策。その効果が、今回の結果にもつながっているようだ。
ソフトバンクでは2.5GHz、2.1GHz、1.7GHzに加えて、900MHz(プラチナバンドLTE)でもSoftBank 4G LTEの利用がこの夏にかけて急拡大する予定だ。より高速で利用可能な環境が整備されていくため、今後の見通しも明るい。
ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI(au)の3社が切磋琢磨して電波を強化している現在の状況は、消費者にとってもメリットが大きい。今後も3社の競争に注目だ。