消費電力はModel B+比で増大、Model B比では大差なし
パワーアップによって消費電力の増大はないだろうか? Raspberry Piは、Compute Moduleを除いて、すべてのモデルでmicroUSB Bコネクタから5Vの電源供給を行っている。そこで、USBの電圧電流モニターを使って消費電流を確認してみた。
Model B+比では、アイドル時の消費電力増は誤差の範囲といえるが、CPU負荷の高いベンチマーク時は消費電力が1コア時で約1割増、4コア動作で6割~7割ほど高かった。Model B+とRaspberry Pi 2で同じ計算量ならば、Raspberry Pi 2のほうが短時間で終了するぶん、トータルの消費電力は変わらないかもしれない。しかし、負荷がかかると少々熱くなるRaspberry Piの泣き所は、Raspberry Pi 2でも変わっていない(蛇足だが、私物のRaspberry Piにはヒートシンクを取りつけている)。
■アイドル時とUNIX BENCH(Drystone/whetstone)実行時の消費電流(A) | ||||
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Model B+ | Model B | Raspberry Pi 2(1core) | Raspberry Pi 2(4core) | |
Idol | 0.24 | 0.37 | 0.25 | - |
Drystone | 0.29 | 0.44 | 0.32 | 0.50 |
Whetstone | 0.27 | 0.40 | 0.30 | 0.43 |
ただ、従来モデルがModel B+になったとき、電源効率を高めて消費電力を減らしているので、さらに古いモデルの「Model B」でも比較してみた。Raspberry Pi 2のアイドル時と1コア利用時はModel Bより省電力、4コア動作時はModel Bより1割前後の消費電力増となっている。つまり、古いRaspberry Pi Model B比なら大差なく、おおむね問題ないだろう。
積極的に選ぶ価値あるRaspberry Pi 2
昨年(2014年)8月に、Raspberry Piを使った記事[http://news.mynavi.jp/articles/2014/08/13/raspberry-pi/]を書かせていただいたとき、当時はModel B+が登場して間もないころだった。ケース類がそろっていなかったので、「現時点ではおすすめしない」としていたのだが、現在はケース類の入手性がよくなっている。よって、Model B+やRaspberry Pi 2を積極的に利用しない理由はない。
市場では、Model B+のRaspberry Pi 2で販売価格に差がある(Raspberry Pi 2のほうが高い)。できるだけ安く抑えたい、消費電流を可能な限り下げたいという人は、Model B+を選ぶ意味がある。ただほとんどの場合、CPUが大幅にパフォーマンスアップし、メモリが2倍に増えたRaspberry Pi 2を選択しない手はないだろう。
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Raspberry Pi 2では、Model B+のケースがそのまま使えるのがうれしい。写真下はRaspberry Pi 2をModel B+用のABSケースに入れたところ。写真右上のModel B+用アクリルケースは強度も高くてお気に入りだが、現在売ってるところを見つけられずに困っている。写真左上は旧Model Bだ |
余談・「Death Flash現象」を回避する
Raspberry Pi2には、カメラのストロボを光らせると動作が停止する「Death Flash現象」が知られていて、今回の評価機でも発生した。これは過大な光によって、基板の「U16」という位置にあるICが反応するのが原因だ。普段使っていて問題になることはない。気になるようなら、U16付近を覆ってやることで対処できる(アルミ蒸着されたお菓子の袋を当てると、ほぼ解消した)。