スマートフォンのカメラ機能は年々すさまじい勢いで進化しています。iPhone 3Gにはオートフォーカスすらなかったのに、今ではデジカメ顔負けの機能を搭載するようになりました。では、今後スマホのカメラはどう進化していくのか。4つの機種から、その方向性を占っていきたいと思います。

iPhone 6/6Plus

かつてのような神通力はなくなりつつあるように感じますが、とはいえスマートフォンの方向性を決めるのにもっとも重要な役割を果たしているのは間違いなくiPhoneです。OSのシェアではAndroidに劣っていても、単一のモデルとしてここまで数が出るのはiPhone以外にありません。

iPhone 6

優れたホワイトバランスと的確な露出、位相差AFを取り入れたことによるピント合わせの速度向上など、奇をてらうのではなく、非常に真っ当な進化を続けています。

iPhoneのユーザー数は他の機種と比べて圧倒的に多く、それゆえに特定のニーズを拾うことはできません。中には写真の撮り方に詳しいユーザーもいるでしょうが、シャッターボタンを押すだけのユーザーが大半を占めているでしょう。

そうなると、iPhoneに求められるのは、「カメラを起動してシャッターを押すだけで失敗なくきれいな写真が撮れる」こと。たとえば極端に大きなセンサーを積んで、被写界深度を浅くすると、プロっぽい背景のボケた写真が撮れるわけですが、それはつまり「何も考えずに撮るとピンボケを連発してしまう」ことにつながってしまうわけで、iPhoneの思想に反しています。

逆に考えれば、iPhoneが搭載した機能については、一般的に十分受け入れられたということ。カメラ機能の進化の方向性を見定めるのに、iPhoneは引き続きもっとも注目すべき機種と言えます。