説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「キャリア版iPhoneをSIMフリーにできますか?」という質問に答えます。

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ここ日本では、2013年11月から「SIMフリー」のiPhoneが販売されるようになりました。当初はオンラインのApple Store限定でしたが、2014年1月以降は実店舗のApple Storeでも取り扱われています。これまではキャリア版端末の発売から期間をおいてSIMフリー版が発売されてきましたが、2014年9月発売のiPhone 6/iPhone 6 Plusからは、新発売と同時にApple Storeで販売されています。今後、SIMフリー版を通販で購入するスタイルは、ますます普及することでしょう。

一方、キャリアでの販売も継続されます。こちらは「SIMロック端末」であり、契約した通信会社以外のSIMカードは利用できません。その代わり、キャリア独自の割引プランを利用できるため端末価格が大幅に割り引きされるうえ、分割での支払いが可能です。支払いは一括で割引プランがないSIMフリー版と比べると、購入のしやすさが魅力といえます。

そう聞くと、キャリアで購入したiPhoneを「SIMロック解除」すればよさそうですが、そう容易なことではありません。ここ日本ではSIMロック解除は合法ですが、iPhoneを取り扱うキャリア3社はいずれもSIMロック解除を受け付けていません(2014年12月現在)。技術的に不可能ではないものの、iPhoneに割り当てられた固有の製造番号(IMEI)にアクセスしなければならない都合上、ノウハウを有する業者に依頼するか、特殊なSIMアダプタを使い作業しなければなりません。

リスクもあります。SIMロック機構はiPhone本体側にあり、失敗すればそのiPhoneは利用不能となる可能性大です。SIMロック解除を請け負う業者に依頼し代金を支払ったが連絡が取れなくなった、SIMロック解除アダプタを購入したが解除できなかった、という報告もあとを絶ちません。SIMロック解除サービスを提供する量販店が皆無なことからも、そのリスクの高さは察することができると思います。

iPhoneの「SIMロック」を解除するのは、そう容易いことではありません